2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌EMT関連分子の機能的探索による新規診断・治療法の開発
Project/Area Number |
15K20504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
倉沢 泰浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 医員 (90737280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / EMT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、癌の進展過程において生じるEpithelial-Mesenchymal Transition(EMT)に着目し、独自の機能的スクリーニング手法を用い、特に口腔扁平上皮癌でのEMT発生に関する分子を同定し、さらに詳細な分子機序を明らかにすることにより、癌細胞がいかにして浸潤能、転移能などの悪性形質を獲得することを解明する、また見出した分子の臨床的応用法を開発することを目的としている。 平成29年度は、Taqman法による発現解析とCOBRA法、Bisulfite Sequence法によるDNAメチル化解析を組み合わせた独自のスクリーンング法によって、過去に報告した分子に加えて、あらたな候補遺伝子を選出した。選出した遺伝子の機能解析を進めるにあたり、これまでに報告されている遺伝子の機能等などから、EMTにいかにして関与するか、その遺伝子の持つ機能と癌の悪性化との関連性について仮説を立案し解析を進めている。 具体的には、口腔扁平上皮癌のうち上皮系の性質を有する細胞株で発現し、間葉系の性質を有する細胞株で発現低下する遺伝子をまず絞りこみ、絞り込んだ遺伝子のうち、Exon1上流にCpGアイランドを有する遺伝子において、COBRA法を用い、それぞれの遺伝子が発現低下している細胞株の対応するCpGアイランドのメチル化の程度を評価した。発現の低下とメチル化が相関する、すなわち候補遺伝子の発現低下があり、かつ、プロモーター領域がメチル化されている遺伝子については、Bisulfite Sequense法で、ゲノム上のメチル化シトシンの部位を精査した。以上の手法によって、Gene Xを候補遺伝子として選出し、口腔癌の悪性形質獲得との関連性に関して分析をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
候補遺伝子Gene Xを選出し、現在機能解析を行っているが、仮説を裏付けるようなデータがまだ得られておらず、l追加の解析を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Gene Xに関しては、他のがん種での報告がなされており、参考にしながら、口腔癌の悪性化における働きの詳細を分析し、報告する予定である。
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Causes of Carryover |
研究費を使用するような実験を予定通り進められず、主に文献的な検証を行ったため。
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