2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatment by Exploration of novel EMT-associated molecule
Project/Area Number |
15K20504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
倉沢 泰浩 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (90737280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / EMT |
Outline of Annual Research Achievements |
Epithelial-Mesenchymal Transition(EMT)は、正常細胞における初期発生時の原腸陥入や心臓弁形成、あるいは創傷治癒における細胞運動能の獲得等の局面で発生するとされており重要な生物現象の一つとされている。一方で癌細胞においては、上皮系形質を有する癌細胞が間葉系の形質を有する癌細胞へ変化することで浸潤・転移能を獲得し、放射線治療や抗癌剤治療に対する抵抗性を獲得することが近年多数報告されており、現在の癌研究の主要なテーマとなっている。本研究は、癌の進展過程において生じるEMTに着目し、独自の機能的スクリーニング手法を用い、特に口腔扁平上皮癌でのEMT発生に関する分子を同定し、さらに詳細な分子機序を明らかにすることにより、癌細胞がいかにして浸潤能、転移能などの悪性形質を獲得することを解明する、また見出した分子の臨床的応用法を開発することを目的としている。 これまでに、Taqman法による発現解析とCOBRA法、Bisulfite Sequence法によるDNAメチル化解析を組み合わせた独自のスクリーンング法によって、Gene Xを選出した。選出した遺伝子の機能解析を進めるにあたり、これまでに報告されている遺伝子の機能等などから、EMTにいかにして関与するか、その遺伝子の持つ機能と癌の悪性化との関連性について仮説を立案し解析を進めた。 平成30年度は、見いだしたGene Xの機能解析をin vitroで行った。具体的には、miR-200familyを用いたEMT induction assayでEMTが誘導された際のGene Xの発現変化を分析し、Gene Xの発現量と細胞の運動能の相関に関してmigration assayを用いて行った。また口腔癌臨床検体を用いて、Gene XのDNAメチル化ステータスを癌部と非癌部間で比較し、臨床病理学的因子との相関の有無を分析した。同時に文献的な考察を行ながら、成果報告準備を行った。
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