2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K20508
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
服部 麻里子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (70418664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 顎顔面補綴 / 補綴歯科 / 顎顔面リハビリテーション / 音声 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌術後患者の発話能力に関する研究は現在まで様々な方法で行われて来た.患者の発話の特徴についての報告や,術式やリハビリテーション方法による障害の度合いを比較する研究が多い中,我々は音声分析機器を用いた客観的評価による研究を行ってきた.これまでの研究により上顎欠損患者の発声する母音の音響学的特徴が分かっている.また音声の鼻音化率を測定するには短い言葉での測定も可能であることが分かっている.子音の音響検査は心理音響などの手法を用いることにより可能であることも報告した.また音声の鼻音化率は短い言葉での計測が可能なことも報告した.またコンピューター音声認識を用いた発話の分析により口腔癌術後患者の発話について障害の程度の診断やリハビリテーションの効果を調べることもできた.これらの研究結果を応用して口腔癌術後患者の音声を修飾することにより患者を支援することが本研究の目的である.音声を瞬時に修飾することができれば,例えば電話での音声を自動的に聞きやすくすることなどが可能となると考えられる.患者の中には電話での会話が困難であると訴えるものが多くあるため,有用であると思われる.また患者の音声を口腔内の形態のデータとも合わせてデータベース化することで欠損の形態によってアプリケーションを最適化させることができると考えられる.当該年度は口腔癌術後患者の音声解析とアプリケーション作成に関するこれまでの研究結果に,音源可視化装置による計測の結果を加えて分析した.また顎模型のCTデータの解析を行った.発声方法を変化させた際の音声評価も行った.これらはこれまでの音声解析結果を解釈したり,最適な音声入力をする方法を議論する上で重要な項目である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず口腔癌術後患者の音声解析とアプリケーション作成に関する研究結果に,音源可視化装置による計測の結果を加味して考察した.2016年7月にはこれまでの研究の一部に関して学会発表を行った.2016年9月には顎模型のCTデータの解析を行った.また2017年3月には発声方法を変化させた際の音声評価に関する研究を行った.以上の通り研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた結果をまとめ,学会発表や論文執筆と投稿を行っていく予定である.また将来的にはこの研究を国際共同研究の結果を用いて発展させていく.国際共同研究では口腔内形態をデジタル化して計測する研究を行っている.その結果と合わせることで口腔内形態の情報を加味した上での音声を分析することができ,口腔内の形態によって支援ツールを最適化させたり,手術後の発話能力を予測することも可能と考えられる.
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Research Products
(1 results)