• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

TGFβシグナル制御因子を応用した口腔癌低侵襲診断システムの開発

Research Project

Project/Area Number 15K20513
Research InstitutionAichi Cancer Center Research Institute

Principal Investigator

萩原 純孝  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍医化学部, 研究員 (40547551)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords血液腫瘍マーカー / 細胞外分泌タンパク質 / CD44 / CD109
Outline of Annual Research Achievements

CD109はTGFβシグナルの調節因子であり、申請者らによるこれまでの研究において、①口腔をはじめとする扁平上皮癌組織で免疫組織学的に高発現していること、②培養細胞において1270~1273番アミノ酸のFurinase特異的分解サイトで切断され180kDaの可溶型CD109が培養上清中に分泌されること、③マウスを用いた実験では移植腫瘍に由来する180kDa-CD109が血液中に分泌されること、などを明らかにした。
その後、本研究の一環として可溶型CD109の結合タンパクを質量解析法により探索したところ、CD81などのエキソソームマーカーやHSP70が同定された。CD109がエキソソームを介して細胞外へ分泌されていることが明らかとなった。近年、エキソソームを介した細胞外分泌機構においては、その中に含まれるマイクロRNAなどの存在により、がんのシグナル伝達やがん細胞の遠隔転移にとても重要な役割を果たしていると考えられているため、「扁平上皮癌患者の血中に存在するCD109は、癌の病態を反映している可能性がある」という仮説に至った。
そこで平成28年度は、臨床検体を使用した解析に着手した。まず、当センター臨床検査部で保存されている血清検体の本研究への使用に関し、対象疾患を本研究計画書に記した口腔領域の扁平上皮癌から頭頸部領域の扁平上皮癌に拡大し、当センター倫理審査委員会の承認を得た。平成27年度に当院頭頸部外科で治療を行った扁平上皮癌患者の中から一次症例に該当する患者群を抽出した。CD109の血中濃度ついては、これまで一般的に定められた基準値などはなく、まずは一次治療として手術が施行された患者の術前術後を同一患者で比較することを試みた。CD109、HSP70、CD44-standard /-variant 5 /-variant 6、の計5種類をELISA法で解析した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成27年度の時点で、申請者の研究機関異動に伴い研究の進行に遅が生じていたが、それに加え、平成28年度は臨床検体の収集において予想以上の時間を要した。リスト化した症例の該当検体を、臨床検査室で管理されているDataファイルより検索しフリーザーから探し出す作業を行うが、中には血清量が不十分な検体などもあり、解析に適切な検体数を確保するのに難渋した。また、各種ELISA受託解析の発注にも時間を要したことや予算の問題から、本年度は各ターゲットとも40検体(20症例を術前後で比較)のみの解析にとどまった。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度に行ったELISA解析の結果より、可溶型CD109とCD44/v6において臨床像との相関性があると思われた。両分子の間に直接的な相互作用が存在する報告はないが、両者の血中濃度と臨床像との相関に関してさらに検体数を増やして検討をすすめることは有意義であると思われる。
またコントロール群としてどのような対象者が適切かを十分に検討する必要もある。
当初の研究計画として、口腔扁平上皮癌患者の血中および唾液中CD109濃度の相関性を検討する予定であったが、対象患者からの唾液採取を行いつつ前向き研究にシフトする必要があることや、検体の解析を行うにあたって予算的に不可能な状況であるため、CD109とCD44/v6の血中濃度に限定した後ろ向き研究を発展させる。

Causes of Carryover

平成27年度は研究進行に遅れが生じたため繰越額が生じた。平成28年度は年間直接経費を上回る使用状況であったが、それでもなお初年度からの繰越額を完全に使用するには至らなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

各種ターゲット分子に関して解析を進ていく予定であるが、必要なELISAキットの購入と、血中濃度測定を外部解析機関へ受託解析する際に使用する予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi