2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for restoring susceptibility of cetuximab in combination with a PI3K inhibitor for cetuximab resistant oral cancer
Project/Area Number |
15K20528
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤田 麻里子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90714535)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セツキシマブ / 口腔癌 / PI3K阻害剤 / PIK3CA / Ca9-22 |
Outline of Annual Research Achievements |
セツキシマブ(商品名アービタックス)は口腔癌で唯一の抗EGFR抗体分子標的抗癌剤として期待されているが、継続投与によりEGFR遺伝子変異が生じ耐性を獲得した事例や、下流のKRAS遺伝子変異の存在により奏効しない事例が問題となっている。そこで本申請研究でこれまでの研究を発展させ、アービタックス低感受性口腔癌や既に薬剤耐性を獲得した口腔癌を担癌させたモデルマウスを用いて、その感受性の回復療法を開発することを目的とした。 セツキシマブとの関連を示す癌細胞株9種(HSC4、HSC3、HSC2、SAS、Hep2、HO-1-u-1、Ca9-22、HSG、HSQ-89)において、KRAS、NRAS、BRAF、PIK3CAに対しての変異解析を行ったところ、Ca9-22株とHSG株のみPIK3CAに対しての変異がみられた。 この結果により、KRAS, NRAS, BRAFはセツキシマブ感受性が高いことが推察されたが、PIK3CAにおいてはセツキシマブ感受性が低くなる可能性が示唆された。PI3K阻害剤NVP BEZ-235のCa9-22およびHSGに対する細胞毒性試験を行ったところ、濃度依存的に効果は認められたが、2株での有意差は認められなかった。次に、変異解析においてPIK3CAの変異が認められたCa9-22と、変異の見られなかったHSC3を用いてセツキシマブの細胞毒性試験を行ったところ、いずれの濃度においても、HSC3株の方が常に感受性が高かった。 上記の結果から、セツキシマブの投与においては、PIK3CA遺伝子の変異が奏効率に大きく関わっていることが本研究においても改めて証明できた。今後の課題としては、薬剤濃度の検討を行い、セツキシマブとPI3K阻害剤の併用投与による比較検討が必要になると考えられた。今後、上記内容を学会、論文にて報告予定である。
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