2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new predictive factors for malignant alteration of oral cancer by the functional analysis of the factors in regard to loss of anchorage dependence.
Project/Area Number |
15K20534
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
竹縄 隆徳 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (30711270)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | calreticulin / 機能解析 / 癌幹細胞 / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性マウス線維肉腫腫瘍モデルの単一腫瘍細胞由来の性質の異なる2種類のクローン細胞に関するプロテオミクスによる差次的発現解析の結果得られた発現に有意差を認めたタンパク質の中で、Ca結合タンパクであるcalreticulin (CALR)の口腔扁平上皮癌における役割についてin vitroで検討を行った。CALRを標的とするSiRNA (Silencer174; Select Validated siRNAs)とスクランブルコントロールをHSC2細胞、HSC3細胞に導入したところ、それぞれCALR mRNAレベルは20%以下に減弱できた。すなわち、それぞれ8割以上CALR mRNAレベルを抑制することが可能であった。次に、HSC2細胞ならびにHSC3細胞ともにCALR発現をSi RNAを用いて抑制し、またスクランブルコントロールを導入し、両者における細胞増殖能(MTT assay)、コロニー形成能 (colony formation assay)、細胞移動能( wound healing assay)、マイグレーション能 (migration assay)を検索した。その結果、スクランブルコントロールを導入細胞と比較してSi RNA導入細胞では、細胞増殖能、コロニー形成能、細胞移動能、マイグレーション能それぞれが有意に減弱した。すなわちCALRの発現減弱は、口腔扁平上皮癌の悪性度を低下させることにつながった。また、前年度に口腔扁平上皮癌の治療前生検組織におけるCALRの発現が有用な予後因子となり、CALR低発現群の治療後の経過が良好な結果を示したが、その結果を今回のデータにて裏付けできたと考えている。さらに今後はCALRを標的として、効果的に口腔扁平上皮癌におけるCALRの発現減弱につながる治療方法を検討することにより、有害事象の少ない有用な治療戦略を考案したいと考えている。
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Research Products
(2 results)