2016 Fiscal Year Research-status Report
舌筋由来幹細胞とbioactive scaffoldを用いた新規骨再生法の開発
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15K20535
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梅田 浩嗣 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (90610618)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Nanog / プラスミドベクター / ヒト歯随幹細胞 / 石灰化細胞外基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス由来細胞を用いた骨再生とともにヒト細胞を用いた骨再生を目指し、addgene社からヒトNanog遺伝子発現ベクター(pCDNA3.1-Nanog)を購入し、トランスフォーメーションを行い、大量培養し精製後、このプラスミドベクターを、リポフェクタミンを用いて、ヒト歯随幹細胞 (hDPSC) [Lonza PT-5025]に遺伝子導入し、上記ベクターのSelection markerであるHygromycinを用いてstable cloneを作製した。このトランスフェクタント(hDPSC-Nanog) を親株であるhDPSCおよび空ベクターを導入したhDPSC-hygと細胞増殖能および骨分化能に関して比較検討した。その結果、親株hDPSC、空ベクターを導入したhDPSC-hyg、hDPSC-Nanogは14日目までの増殖能に関しては有意差を認めなかった。しかしながら、骨分化誘導培地を用いて培養を行ったところ、hDPSCにおいてはAlizarin red染色およびVon Kossa染色にて観察される石灰化細胞外基質の形成は14日目以降に確認され、空ベクターを導入したhDPSC-hygにおいても同様に14日目以降に確認できたが、hDPSC-Nanogでは8日目以降に石灰化細胞外基質の形成が認められた。前年度マウスNanog遺伝子発現ベクターを舌筋由来Sca-1陽性細胞(MTDSC)に遺伝子導入して得たMTDSC-Nanogでは10日目以降に石灰化細胞外基質の形成が認められたことから、今回のヒトNanog遺伝子発現ベクターをヒト歯随幹細胞(hDPSC)に導入して得られたhDPSC-Nanogが骨再生により有用と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Nanog遺伝子発現ベクター(pCDNA3.1-Nanog)を用いて、ヒト歯随幹細胞 (hDPSC) [Lonza PT-5025]に遺伝子導入し、stable cloneを作製できており、親株や空ベクター導入株と細胞増殖能および骨分化能が比較検討できており、この点は順調である。ただし作製した炭酸アパタイトフォームは、ヌードマウスに移植しても3ヶ月を越える時点で異物として排出されることが観察されたため、bioactive scaffoldに関して更なる検討が必要であるので、やや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ネオボーン(クアーズテック)、アパタイトペレット(PENTAX)、コンボラス(タキロン)などの既製品やPuraMatrix(3D-Matrix-Japan)、コラーゲン/PLGA/BMP4複合多孔質足場材料(独立行政法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体組織再生材料ユニット)などの開発直後の既存品を入手可能な範囲で準備し、主に in vivoの系で骨再生能を評価し、それぞれの利点を解析して、新たなbioactive scaffoldの開発を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成28年度はヒト歯随幹細胞を用いた骨再生医療の検討を行い、Nanog遺伝子導入による骨分化の促進を図っていたため、bioactive scaffoldの開発がやや遅れてしまった。このため平成29年度にネオボーン(クアーズテック)、アパタイトペレット(PENTAX)、コンボラス(タキロン)などの既製品やPuraMatrix(3D-Matrix-Japan)、コラーゲン/PLGA/BMP4複合多孔質足場材料(独立行政法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体組織再生材料ユニット)などの開発直後の既存品を入手可能な範囲で準備する予定であり、それらを購入するために、平成29年度に研究資金をまわす必要があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述したように、ネオボーン(クアーズテック)、アパタイトペレット(PENTAX)、コンボラス(タキロン)などの既製品やPuraMatrix(3D-Matrix-Japan)、コラーゲン/PLGA/BMP4複合多孔質足場材料(独立行政法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体組織再生材料ユニット)などの開発直後の既存品を入手可能な範囲で購入、入手を予定している。主に in vivoの系で骨再生能を評価し、それぞれの利点を解析して、新たなbioactive scaffoldの開発を進める予定である。
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