2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental study on molecular target therapy in oral cancer patients with cetuximab resistance
Project/Area Number |
15K20544
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鳴瀬 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70549609)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | セツキシマブ耐性 / EGFR / 口腔扁平上皮癌 / mTOR阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cetuximabは切除治癒不能な進行・再発の頭頸部癌に対する分子標的薬として、本邦では2012年12月に承認された。著明な治療効果が期待できる反面、長期投与に伴い薬剤耐性能の獲得が予想される。癌細胞のCetuximab耐性におけるメカニズムは内因性の遺伝子変異によるCetuximab不応の癌細胞の存在、あるいはCetuximab投与に伴う耐性能の獲得が主なものであるが、口腔癌におけるこれらのメカニズムは明らかにされていない。研究代表者はこれまで明らかにした学術的背景からeverolimusを応用したmTOR経路の抑制によりCetuximab耐性口腔癌においても抗腫瘍効果を示す可能性があると考え、本研究を着想するに至り、Cetuximab耐性口腔扁平上皮癌細胞株におけるmTOR阻害薬everolimusの有効性について明らかにし、新規癌治療の基盤を構築することを目標とした。 Cetuximab投与症例の切除標本を用いた免疫組織化学染色によりPIK3CAおよびH-RASに対する発現と治療効果との相関性について検討した。その結果、PIK3CAが有意に増悪(PD)症例で高い発現を有していた。そのため、口腔扁平上皮癌細胞株でPIK3CAの発現の低い株を選択し、PIK3CAを過剰発現させた株と親株との感受性の差について検討した。結果として、発現の高い親株において有意にCetuximabの感受性低下を認めた。さらに増殖能,浸潤能について検討を行ったところ、PIK3CAのノックダウン株で有意に機能低下を認めた。次いで、everolimusにて処理したところ、親株と過剰発現株の感受性に大きな差はみられなかった。 以上の結果から,everolimusがCetuximab耐性にも有効である可能性が示唆された。
|