2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the mechanisms underlying chemoresistance through microRNA modulation and applications to individualized therapy in oral squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
15K20546
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川原 健太 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (90732735)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / exosomal miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な癌領域におけるmiRNAの極めて詳細な解析が進み、細胞内で働くと言われてきたmiRNAが細胞外へ分泌され癌の新たな指標の産物として報告されている。この分泌にはエクソソームと呼ばれる脂質の二重膜の細胞外顆粒が関わっており、既にある種の癌では治療効果や予後と強く相関することが示されている。そこでOSCCにおいても癌患者体液中のmiRNAを指標とした診断方法の開発は重要であると考え、最終年度はエクソソーム中のmiRNA(exosomal miRNA)に着目した診断方法を開発することで、口腔癌の予防や早期発見はもとより、病型分類、経過・予後予測、治療方針の決定、治療効果判定等におけるexosomal miRNAの新たなバイオマーカーとしての利用価値の創出を目指した。 当科では以前よりOSCC患者の治療前、術前化学放射線療法後、手術後および再発時の4ポイントで血清を採取しており、それぞれのサンプルからexosomal miRNAを抽出しその発現変動と生物学的意義を解明した。その結果miR-1290の低発現群は口腔癌における全生存率および無病生存率ともに有意に予後不良であることが解明された。その原因として低発現群ほど、腫瘍のサイズが大きく、またリンパ節転移を伴いやすく、術前化学放射線療法の治療効果が不良等が挙げられた。miR-1290のターゲットとしてNotch1が挙げられ、このNotch1はOSCC組織において癌遺伝子として作用する報告があり、miR-1290がNotch1の発現を制御することで腫瘍抑制的に機能していると考えられた。
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Research Products
(9 results)