2017 Fiscal Year Annual Research Report
application of targeted drug into super selective intraarterial chemotherapy on oral cancer
Project/Area Number |
15K20550
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
光永 幸代 横浜市立大学, 医学研究科, 共同研究員 (20567606)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がんの進行症例では通常外科的治療が標準治療として選択されるが、我々は超選択的動注化学放射線療法を用いることによって根治性の向上だけでなく、原発部位の手術回避による咀嚼・嚥下や構音などの日常生活の営みに重要な機能の温存による患者のquality of life (QOL)の維持を図ってきた。しかし、従来の抗がん剤、とくに殺細胞性抗がん剤による口腔粘膜炎や他臓器や骨髄細胞への障害や耐性などが問題となる場面が多々見られている。そこで、本研究ではトランスレーショナルリサーチとしてその高い選択性とがん抑制効果から急速に臨床応用がすすむ分子標的薬を超選択的動注法に応用し、より安全で副作用の少なく高い抗腫瘍効果が期待できる新規治療法の確立を目標とする。また投与方法や薬剤の組み合わせ、薬剤分布などを検討することにより、近い将来の臨床応用を目指す。具体的には投与方法による薬剤の効果の違いについて解析を行うため、殺細胞性の抗がん剤であるドセタキセルと頭頸部がんにおいて唯一承認されていたセツキシマブを用いてそれぞれ局所投与および全身投与を行った際の抗腫瘍効果や毒性、さらには腫瘍の微小環境の変化について解析を行った。さらにそれらを併用した際の投与方法の違いによる効果の違いについても検討を行った。その結果分子標的薬を全身投与しながら殺細胞性抗がん剤を局所登用した場合に相乗的な抗腫瘍効果を認めた。経時的に腫瘍を採取して免疫染色にて解析したところ、この効果は微小環境を形成する骨髄細胞の腫瘍内への誘導や血管形成への影響などが関係しているものと思われた。さらに投与時期を同時併用、分子標的薬先行、あるいは殺細胞性抗がん剤選考の3パターンでそのメカニズム解析を行った。
|