2016 Fiscal Year Annual Research Report
Novel thermo-chemotherapy for oral cancer using a new magnetic anti-cancer drug
Project/Area Number |
15K20552
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 格 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (00737710)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗癌剤 / 温熱療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、頸部リンパ節への転移モデルにおける磁性パクリタキセルの抗癌活性・温熱療法による抗腫瘍効果とCT造影効果を、マウスを利用した動物実験において証明した。マウスの舌にHSC-19癌細胞(細胞数:5.0×108個)を移植した。マウスのHSC-19癌細胞については移植後約20日後に頸部リンパ節への転移を確認した。イソフルランを用いた吸入麻酔下に、腫瘍部位に局所に本抗癌剤(5mg/kg)を投与した。コントロール群は投与なし。投与後、頸部をコイル径100mmの内部へ挿入し、磁場印加を行った。週2回、3週間行い定期的にCT撮影を行った。舌・リンパ節の組織標本を作成し、HE染色、TUNEL法、免疫組織染色で評価を行った。温熱を行うためのマウスの頸部が入る交流磁場機器については申請者らのグループが開発した装置を使用した。CTによる評価はアーチファアクトにより困難であったが、病理の評価において温熱をおこなった群では、原発と頚部リンパ節転移部分の抗腫瘍効果を認めていた。申請者らのグループが開発した磁性パクリタキセルを用いて口腔癌の原発巣に投与することによって、リンパ流を介して頸部の転移リンパ節へ本抗癌剤が流入し、原発巣および頸部への選択的温熱療法を行い、転移リンパ節に対する抗腫瘍効果を示した。口腔癌に対する従来の治療法のデメリットを極力回避し、低侵襲かつより安全で、患者のQOL向上が期待される新たな治療法になりうる可能性が示唆された。今後は、実験群とN数を増やして優位性を示していく予定である。また、口腔癌のみならず他の癌種においても有用性を示したいと考えている。
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