2015 Fiscal Year Research-status Report
皮膚・口腔粘膜の創傷治癒促進薬としてのメトレレプチンの可能性
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15K20569
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
井出 信次 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メトレレプチン / レプチン / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、われわれは口腔粘膜において抗肥満作用を有しているレプチンが創傷治癒促進効果を有する事を確認し報告してきたが、昨年、レプチン誘導体であるメトレレプチンの臨床応用が承認された。メトレレプチンもレプチン同様の生理的・薬理的作用を有している。そこで本研究ではメトレレプチンに着目し、皮膚・粘膜創傷治癒における役割について詳細に明らかにするとともに、皮膚・口腔粘膜の創傷に対してその治癒を促進できる可能性について検討した。 化学熱傷モデルマウスにおける皮膚創傷治癒過程において、レプチンと同様にメトレレプチン投与により治癒期間を短縮できることを見出した。ヒト皮膚角化細胞においてレプチン受容体の発現が確認され、メトレレプチンがヒト皮膚角化細胞に対して増殖促進効果、分化促進効果、遊走促進効果を有していることが明らかとなった。さらに、メトレレプチン投与群において活発な血管新生が認められた。これらのことから、メトレレプチンよる創傷治癒促進効果は角化細胞の増殖・分化・遊走促進および血管新生促進によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は本年度予定されていた実験である、正常マウス皮膚および正常ウサギ口腔粘膜におけるレプチン受容体の発現の検討、皮膚化学熱傷モデルマウスの作製、皮膚創傷治癒促進効果の有無の検討、創傷部における組織学的・免疫組織化学的検討をすべて行うことがでできた。さらに次年度に予定されていた、口腔粘膜化学熱傷モデルウサギの作製口腔粘膜創傷治癒促進効果の有無の検討、創傷部における組織学的・免疫組織化学的検討、ヒト皮膚組織、ヒト口腔粘膜組織、ヒト皮膚角化細胞・線維芽細胞、ヒト口腔粘膜上皮細胞・歯肉線維芽細胞におけるレプチン受容体の発現の検討、ヒト皮膚角化細胞・皮膚線維芽細胞、ヒト口腔粘膜上皮細胞・歯肉線維芽細胞の増殖および分化におよぼすメトレレプチンの影響の検討も前倒しで行えており計画以上に進展している。メトレレプチンの影響の検討を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、創傷部における組織学的・免疫組織化学的検討を以下のように行っていく予定である。メトレレプチンもしくはPBS貼付後、4、8、12、16日目に潰瘍部を含む創部歯肉を採取し、4%パラホルムアルデヒドにて固定後、パラフィン包埋し組織切片を作製する。作製した組織切片にH-E染色を行い、経時的に組織変化を観察するとともに、レプチン受容体、PCNA、EMA、cytokeratinなどについてその発現分布につき免疫組織化学的に検討する。さらにレプチンの血管新生への影響と創傷治癒との関連について検討することを目的に、血管内皮細胞マーカーであるCD31、CD34を用いた免疫組織化学的染色を行い血管内皮細胞数を計測、統計学的処理を行う。
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Causes of Carryover |
本年ではin vitroの実験が順調に行えたため、培養に必要な消耗品を抑えることができたためと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き実験動物の購入費、免疫組織学的検討や細胞培養に必要な消耗品に利用する予定である。また、実験結果の発表のための論文投稿料、学会参加のための旅費に利用する
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[Presentation] 皮膚創傷治癒におけるメトレレプチンの役割2015
Author(s)
井出 信次, 徳山 麗子, 梅木 泰親, 田所 晋, 大久保 充, 竹部 祐生亮, 寺田 知加, 舘原 誠晃, 里村 一人
Organizer
第69回日本口腔科学会総会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府大阪市)
Year and Date
2015-05-13 – 2015-05-15
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