2016 Fiscal Year Research-status Report
Vγ9Vδ2T細胞を用いた口腔癌の新規免疫細胞療法の開発
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15K20574
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
辻 要 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (80632083)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Vγ9Vδ2T細胞 / 口腔癌細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにVγ9Vδ2T細胞が窒素含有ビスフォスフォネート処理された口腔癌細胞によって活性化されインターフェロンγを産生し、癌細胞を殺傷することが明らかとなった。また、複数の口腔癌細胞株でNKG2D Ligands (MICA, MICB, ULBPs)の発現が確認できたことから、抗原特異的な活性化機構に加えてNK受容体による認識・活性化機構の存在が示唆された。本年度は重度免疫不全マウス(NSGマウスまたはNOGマウス)を用いたヒト化マウスモデルの構築に向けた検討を行った。複数種類の口腔癌細胞株(SAS, Ca9-22, HSC-2, HSC-3, HSC-4, KOSC-2, SKN-3, HO-1-N-1, SCC-4, KON)にゾレドロン酸(0.1, 1, 10uM)を作用させて細胞増殖実験を行った結果、高濃度(10uM)のゾレドロン酸処理ではすべての細胞株に増殖活性の抑制が確認されたが、一部細胞株では低濃度(1uM)でも増殖抑制がみられた。ヒト化マウスモデルではVγ9Vδ2T細胞とともにゾレドロン酸を投与するが、投与されたゾレドロン酸による細胞抑制は、Vγ9Vδ2T細胞による抑制作用の評価には不都合である。このため、in vitroの実験で明らかとなったゾレドロン酸高感受性細胞株は、重度免疫不全マウスに移植する口腔癌細胞からは除外する必要がある。本年度の検討で3種類の口腔癌細胞株がヒト化マウスモデル構築の候補細胞株として選別された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
用いた複数の口腔癌細胞株でVγ9Vδ2T細胞の活性化及び細胞傷害活性の誘導が確認できた。このことから口腔癌のVγ9Vδ2T細胞による生体内での抑制モデルの構築が合理的なものであることが明らかとなった。また、ヒト化マウスモデルに適した口腔癌細胞株の選別ができたため、次年度に行うマウス生体内での実験への足がかりができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は超免疫不全マウスに口腔癌細胞を移植し、ヒト化マウスモデルを構築し、Vγ9Vδ2T細胞による口腔癌抑制効果を生体内で確認する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度では費用のかかるin vivoの研究よりも、in vitroでの研究が当初の予想よりも進展したため、in vitroの研究に重点をおいて研究を行ったため、研究費が相対的に節約できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では超免疫不全マウスを用いたin vivoの実験が中心となるため、当初の助成金と次年度使用額とを用いて不足なくin vivoの実験を行う予定である。
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