2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of mechanotransduction of Scleraxis expression in the periodontal ligament
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15K20577
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川津 正慶 東北大学, 大学病院, 医員 (70712925)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Scleraxis / 歯根膜細胞 / メカノトランスダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは、マウスの矯正的歯の移動実験から、歯根膜の牽引側ではScleraxis(Scx)の発現が上昇することを報告している。さらに牽引側では活性型transforming growth factor-beta1(TGF-β1)の検出とTGF-βシグナリング分子であるSmad3のリン酸化の亢進が認められた。in vitroの実験系では歯根膜細胞にTGF-β2を添加するとScxの遺伝子発現の上昇とSmad2およびSmad3のリン酸化の亢進を認めたことから、牽引力によるScxの発現調節には、TGF-β/Smadシグナリング経路を介して調節されていることが示唆される。従って本研究では歯根膜細胞の牽引力に対するScx発現上昇のメカノトランスダクション機構を、伸展装置を用いて解析した。 ストレッチチャンバーに歯根膜細胞を播種して3日目培養を行い、伸展力を負荷した。タイムコースに応じてsampleを回収し、リアルタイムPCRにて解析した結果、伸展力を負荷しない対照群と比較してScxの遺伝子発現が3時間で有意に上昇した。また3時間後のsampleを用いてwestern blot解析を行った結果、対照群と比較してSmad3のリン酸化の亢進を認めた。次に、ScxとTGF-βシグナリングとの関係を明らかにするために、TGFβ type 1 receptor kinase 阻害剤であるSB-431542およびSmad3のリン酸化を阻害するSIS3を伸展力を負荷する2時間前に培地に添加した。培地に添加した培地を伸展後3時間のsampleを解析した結果、阻害剤を添加していない対照群と比較して、Smad3のリン酸化およびScxの遺伝子発現が抑制された。このことから、歯根膜のメカニカルストレスによるScxの発現調節にはTGF-β Smadシグナリングが関与していることが明らかとなった。
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