2015 Fiscal Year Research-status Report
13C呼気試験による不正咬合者の矯正治療前後における胃排出速度評価
Project/Area Number |
15K20580
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小池 紗里奈 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70732535)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 矯正治療 / 胃排出機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
不正咬合者は、正常咬合者と比較して咀嚼機能の低下を認めることが知られている。さらに、近年では、咀嚼と消化には深い関連があり、咀嚼機能の低い不正咬合者では、咀嚼が不十分な結果、胃腸の機能的負担を増すことが示唆されている。我々は、先行研究において13C 呼気試験法を用いた胃排出速度検査により不正咬合者の液状食の胃排出速度は正常咬合者に比較し遅延していることを明らかにした。矯正歯科治療により不正咬合者の咀嚼機能は改善することが知られているが、胃腸機能の変化については未だ報告が無い。本研究課題の目的は、不正咬合者をモデルとして、歯科矯正治療に伴う胃腸機能の変化を解析し、咬合と咀嚼、消化器機能との相互関連性を明らかにすることである。 試料と方法としては、矯正歯科外来に来院した不正咬合患者20 名を被験者とし、矯正歯科治療前後のデータ採得を行う。データ採得は胃排出機能検査、咀嚼機能試験、筋電図、顎運動検査およびアンケート調査とする。胃排出速度の測定は13C 呼気試験法にて行い、Tmax(実測値)を求める。咀嚼機能は咀嚼力判定ガムを80 回咀嚼させ、色彩色差計を用いてCIELAB 表色系にて定量的に評価する。また食品摂取アンケートとFSSG 問診票調査を実施し、スコアを算出する。Tmax、咀嚼困難スコア、筋電図、顎運動検査から得られた主成分スコアおよびFSSG スコアについて、初診時のデータと比較検討を行い、胃排出機能の改善にいかなるパラメータ変化が寄与したかを調べる。 このようにして不正咬合患者の矯正治療前後で胃腸機能の評価を行うことにより、矯正歯科治療・外科的矯正治療の意義を客観的に明確に示すことができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では不正咬合者群の被験者数は20としていたが、研究のための拘束時間への同意を得るのが現在難航しており、被験者数が目標に届いていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
目標とする被験者数を確保するため、被験者となりえる患者にアプローチしていく。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた被験者数が得られていないため、各種計測に必要な費用が予想よりも低くなったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に被験者数を目標通り確保し、前年度分の費用を使用する。
|