2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new orthopedic treatment in growth period
Project/Area Number |
15K20584
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 洋介 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (50706918)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯科矯正学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、上下顎骨にミニプレートを埋入し、ミニプレート間で顎間牽引を行うBone-anchored maxillary protraction (BAMP)と呼ばれる新たな成長期顎矯正歯科治療が報告され、国外において臨床報告が散見されている。しかし、形態学的・組織学的観点から作用機序や治療効果に関する詳細な検討を行った報告は、申請者が2013年に行った一報告のみであり、BAMPの長期的予後や、牽引方向を変更した際の治療効果の詳細な検証は未だ不十分である。そこで本研究では100日齢のビーグル犬を用いて行い、全てのビーグル犬の上下顎にミニプレートを埋入し、60日間の牽引を行う牽引群と牽引を行わない対照群を定義した。100日齢をDay -20としてのビーグル犬の頭部X線規格写真を撮影、肉眼的観察を行った。同時に上顎骨前方成長促進および下顎骨の前方成長抑制を想定し、両群の上下顎骨にミニプレートを埋入した。創部の治癒期間として20日間の経過観察を行った後、牽引群のみDay 0からDay 60まで初張力200gのcoil springにて顎間牽引を行った。組織学的解析は、両群ともに骨形成マーカーとしてカルセイン・テトラサイクリン二重蛍光染色を行った。Day 60にて両群ともに屠殺し、上顎頬骨縫合部の非脱灰組織標本を作製した。標本はVillanueva bone染色後、メチルメタクリレート包埋を行った。切片は縫合部中央を縫合に対して垂直に切り出し、薄切研磨した。蛍光顕微鏡を用いて組織像を撮影し、骨形態計測を行い、組織学的検討を行った。統計学的解析にはMann-Whitney U-testを用いて、各時点における両群間の各検討項目を比較した。結果、過去の臨床報告と同様の効果を認め、組織学的解析からもBAMPの歯科矯正治療における有用性を支持する結果が得られた。
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