2015 Fiscal Year Research-status Report
ミュータンスレンサ球菌が引き起こす非アルコール性脂肪肝炎増悪化メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K20586
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲 周平 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10589774)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / Streptococcus mutans / 肝臓培養細胞 / コラーゲン結合タンパク / Protein Antigen |
Outline of Annual Research Achievements |
コラーゲン結合タンパクおよび菌体表層タンパク Protein Antigen(PA)の両方を発現する Streptococcus mutans 株では、不飽和脂肪酸の 1つであるオレイン酸が肝臓培養細胞にある程度蓄積した状態では、他の S. mutans 菌株よりも有意に高い付着率を示すことが明らかになった。一方で、コラーゲン結合タンパクもしくは PA が欠失した菌株を用いて同様の細胞への付着実験を行ったところ,肝臓培養細胞への付着が有意に減少することも示された。そこで、非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを用いて検討したところ、コラーゲン結合タンパクおよび PA の両方を発現する株を静脈内投与した際に認められる肝炎の悪化が、これらのタンパクが欠失した菌を用いた際には、認められなくなることが明らかになった。これらの結果から、S. mutasns のコラーゲン結合タンパクおよび PA は,非アルコール性脂肪肝炎の増悪化が生じる過程においての重要な因子になり得る可能性が示唆された。 現在、これらタンパクを欠失した株に再度欠失したタンパクを挿入した菌株の作成を行い、それらの菌株により肝臓培養細胞への付着の増加および非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスにおける病原性の悪化が生じるかを確認しはじめている。得られた結果をもとにコラーゲン結合タンパクおよび PA の関連するメカニズムの詳細を追究する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた In vitro 系の各種実験が予定通りに進展した。また、非アルコール性脂肪肝炎マウスモデルにおける実験も、当初の予定通りに進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果は概ね予測通りであったため、次年度も申請書に記載した通りの当初の予定通り推進したいと考えている。また、順調にデータが得られているので、当初の予定を前倒しして論文発表を行いたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
本年度予定していた研究内容のうち、時間が足りずに In vitro 系の検討でごくわずかに遂行できなかったものがあるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
時間があれば行うことができる検討であるため、来年度初頭に時間を設けて速やかに遂行するつもりである。
|
Research Products
(3 results)