2016 Fiscal Year Research-status Report
自閉症を有する患者の視覚支援におけるIT化に関する臨床的研究
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15K20588
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野島 靖子 岡山大学, 大学病院, 助教 (80727636)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 視覚的支援 / タブレット型支援機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障がいの特性を持つ人は、音や触られるなどの感覚が敏感な人が多く見通しをつけることも苦手であり、その不安からパニックを起こす傾向があります。歯科診療は自閉症スペクトラム障がいの方にとって負担が大きく、本人から見えにくい場所で行われるため、次の診療過程、診療器具やまた診療所の環境など、その患者さんの診療による不安を軽減する為に、様々な障害特性を考慮して支援を行ったうえで、診療を行う必要があります。 現在障がい者の診療を支援するものとして、「絵カード」を使い、目で見て確認しながら診療を行う方法が広く普及しています。しかし、絵カードはたくさん準備するとかさばり持ち運びに不便です。その上、初めて訪れる場所や、急な予定変更が起きるなどの時に、その場でカードを作ると言うことが難しくなります。そこで我々は、その場でカメラ撮影をすることで絵カードを簡単に作成することができ、画像データを多量にいれて持ち運びが簡単にできる機器のタブレット端末に着目しました。「はっするでんたー」というタブレット端末型支援機器は、その場で機器を撮影することができるほか、イラストもたくさん入っており、動画も使用することができます。このタブレット端末型支援機器を絵カードのかわりに使用することができないかと考え、今回の研究を実施しました。この研究の目的は「絵カード」を使用して診療を受けた時と、「はっするでんたー」というタブレット端末型支援機器を使用して診療を受けた時を比較することで、支援機器が絵カードを使った時と比べて、患者さんの心理的不安や恐怖を和らげているかどうかを明確にすることであります。今現在、この研究は継続して行われています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画において、歯科診療において視覚的支援を行うために動画や画像をシステム構築およびアプリケーションソフトの開発を目指すこととしていたが、マイクロブレイン社の協力を得ることができ、ある程度システム構築のできている「はっするでんたー」というタブレット端末型支援機器を使用して研究を行うことが可能となった。このことは本研究の進展に大きな影響を与えたと考えられる。しかし、そのタブレット端末型支援機器を使用した介入研究はまだ実施中であり、今後診療の支援用具として実践使用するとともに患者の反応等の基礎資料を収集、汎用性をもたせるためのブラッシュアップを行う必要がある。また、自閉症スペクトラム障害患者に対して有効な研究の方法に関しても、現在実施中の研究を踏まえて十分に再検討する必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
保護者と意見交換を行いながら患者個人に合わせた説明用ファイルを制作、実際の歯科治療および歯科治療適応トレーニングに使用する。診療室で動画ファイル等の説明用ツールを使用した際の患者の反応、歯科治療適応の状態を観察し、データとして記録する。この説明用ツールの評価に関しては、複数回の実施機会を用いて可能な限り正確な評価ができるようブラッシュアップを行う。評価項目に関しては正確性よりも自閉症スペクトラムの特性に留意し患者の精神的負担を可能な限り軽減できることを重視する。自閉症スペクトラム障害についてもアンケート調査などで障害の傾向や発達度などの評価を行い、その自閉症スペクトラム障害の評価および臨床結果の両データの関連について解析を行う。評価法は、それまでに収集した資料の精査および実際に患者において調査した結果を使用する。このため評価法の選定が終了するまでは、複数の評価法について患者の調査を行う可能性がある。これらの研究について学会および雑誌論文などで発表する予定である。
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Causes of Carryover |
備品購入時の交渉により見積時よりも低予算で備品を購入することができたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に研究成果について学会発表および雑誌投稿等を行う予定であるが、その際の必要経費や、消耗品等の購入に充てる。
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