2015 Fiscal Year Research-status Report
未分化間葉系幹細胞とレーザーを併用した骨再生技術の確立と顎裂閉鎖治療への応用
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15K20595
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鷲見 圭輔 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (00707078)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究内容の概要として、初年度での研究計画としていた、顎裂部に骨再生を効果的に誘導させるためin vitro系の検討を行い、至適条件を確定させる実験を行った。中でも、実験1)MSCsの破骨細胞分化に及ぼす影響についての検討をおこなった。 まず、MSCs が破骨前駆細胞である RAW 264 の増殖能に及ぼす影響を検討するため、 Transwell ( 6 well 0.4 μm PET )を用いて細胞同士の接触がない状態で共培養を行い、 MTS assay 法による生細胞数を計測したところ、RAW 264 と MSCs の共培養群において、生細胞数は有意に高い値を示した。また、MSCs における破骨細胞分化に及ぼす影響を検討するため、破骨細胞分化調節因子である RANKL 、 M-CSF 、 OPG および血管内皮細胞成長因子である VEGF の発現についてリアルタイム定量 PCR 解析を用い経日的な変化について検討を行った。さらに、培養 8 日目における、 MSCs 単独培養および RAW 264 との共培養についても同様にリアルタイム定量 PCR 解析を用いて比較検討を行ったころ、共培養群において、破骨細胞分化調節因子である RANKL 、 M-CSF 、 OPG の抑制を認められた。また、血管新生因子であるVEGF の発現について有意な亢進を認めた。これらの実験結果から、血管新生が誘導されることによる破骨細胞の遊走によって骨吸収能の増加が生じている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では初年度において、至適条件を確定させ、それに加え、実験2)レーザ照射がMSCsの代謝に及ぼす影響についての検討を行う予定であった。しかしながら、実験を行ったところ、MSCsが破骨細胞調節因子の抑制をしていることが明らかとなった。この結果は当初の想定と異なる結果であったため、MSCsが破骨細胞におよぼす影響についての、新規の実験系の追加を行ったため、当初の予定とは異なる進捗となった。しかしながら、新しい実験系において、MSCsの細胞遊走能の結果を示唆する結果を得ており、次年度では、その結果も踏まえた上で研究をすすめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験に新規の実験系を加える形となったため、レーザーの影響における検討については、まだ結果が出ていないが、新規の実験系をおこなったことで新たに得られた見地を加えた上で、当初の予定通り研究を推進する予定である。研究協力者については、当初の計画通り行うことができており、タイムスケジュールについては、動物実験の平行して行うことができている。 今後も同様に研究を速やかにすすめ、成果の発表を行う予定である。
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Research Products
(2 results)