2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of maxillary molar intrusion using orthodontic anchor screws on the maxillary sinus and profile shape
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15K20614
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
柴田 桃子 (木村桃子) 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (50600178)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 歯の移動 / 歯科矯正用アンカースクリュー / 上顎洞形態 / 圧下 / セルフライゲーションブラケット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歯科矯正用アンカースクリュー(orthodontic anchor screw 以下OAS)を使用した矯正治療の変化を解析することにより、大臼歯の圧下量と下顎骨の前方移動量の相関関係を明らかにし、側貌に与える影響について検討することである。また、治療前後の上顎洞形態や大臼歯根の変化を調べることにより、上顎洞の存在が歯の移動に及ぼす影響を明らかにし、安全なOASの植立と、効率的な大臼歯の圧下移動のコントロールを可能にすることである。 去年サンプル数を増やしたため、本年度は改めて3群間(①上顎洞非低下群、②ロート状低下群、③リアス状低下群)の統計的な比較を行った。その結果、リアス状低下型は他の2型に比べ、歯槽頂からいずれの高さにおいても頬舌的骨厚が有意に小さく、上顎洞への穿孔の危険性が示唆された。一方、ロート状低下型および上顎洞非低下型は56間歯根間距離がリアス状低下型に比べ有意に小さかった。特に歯槽頂から5mm、6.5mmの高さの歯根間距離はいずれも3.1mm未満と小さく、歯槽頂に近くなればなるほど歯根を損傷する危険性が示唆された。 さらに、将来的に歯の移動や圧下の際に使用するブラケットとして、摩擦が少なく効率的に歯を移動させることが可能と言われているセルフライゲーションブラケット(self-ligation brackets以下SLB)を使用することを考え、SLBの効果を確認するために、従来の結紮するタイプのブラケット(conventional ligated brackets以下CLB)と比較を行った。結果としてSLBの方がCLBよりわずかに移動量が大きい傾向にあるが、有意差は認められず、SLBは効率的な歯の移動を示さないことが示唆された。本年度は、この内容について論文を作成し、愛知学院大学歯学会誌に投稿し、受理された。
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