2016 Fiscal Year Research-status Report
乳歯歯髄由来細胞の低酸素培養における未分化能の検討
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15K20615
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
河合 咲希 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70707067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯髄 / 分化 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、乳歯歯髄由来細胞において低酸素下にて培養された細胞について細胞増殖能に影響を与えない事および未分化マーカー遺伝子であるOct3/4、Sox2遺伝子発現増強を確認している。そして乳歯歯髄由来細胞は様々な細胞への分化能を有している事が既存の研究にて明らかにされている。そこで平成28年度では、その乳歯歯髄由来細胞の分化能の検討を行う事を目的として、通常培養下(20%酸素)および低酸素培養下(2%酸素)乳歯歯髄由来細胞の分化能の検討を蛍光免疫染色にて行った。 乳歯歯髄由来細胞を24well plateへ播種し、通常培養下および低酸素培養下で培養後、コンフレント時に脂肪細胞分化誘導培地(R&D)を用いて7日間分化誘導を行った。骨細胞分化についても同様に、24well plateに細胞を播種し、骨細胞分化誘導培地にて21日間分化誘導を行った。なお、実験には3~7継代した細胞を用い、プロトコールに従いそれぞれの分化誘導培地は3日毎に交換した。低酸素培養にはマルチガスインキュベーターを使用した。それぞれ分化誘導後に蛍光免疫染色を行い、蛍光顕微鏡にて観察した。染色では脂肪細胞に対してFABP-4抗体、骨細胞に対してOsteocalcin抗体、核の染色にはDAPI抗体を用いた。その結果、低酸素培養下および通常培養下においてFABP-4陽性細胞、Osteocalcin陽性細胞を確認した。この結果より、低酸素培養条件下においても脂肪細胞、骨細胞へ分化することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特別な遅れもなく、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄脂肪は軟骨細胞に分化することが確認されているため、脂肪細胞、骨細胞と同様に、乳歯歯髄細胞の低酸素条件下における分化誘導を行い、低酸素培養においての影響を確認していく予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定であった海外学会等に参加することができなかった事、および外注する予定であった実験が検討中に年度をまたいだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度では研究成果の学会発表、および実験の外注を行うため、計画通りに使用予定である。
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