2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K20626
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
花谷 智哉 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60649250)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯根膜細胞スフェロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト抜去歯から歯根膜組織を採取し、酵素法によりPDLを分離後、継代により十分な細胞数を確保した。スフェロイド作製用マイクロウェルチップにPDLを播種し、PDLスフェロイドを作製した。real time RT-PCRを用いて、多能性マーカー(OCT4, NANOG)の遺伝子発現を確認した。単層培養PDLと比べて、PDLスフェロイドでOCT4, NANOGの遺伝子発現は有意に高くなり、PDLスフェロイドは幹細胞の多能性を維持することが示唆された。FACSを用いて、間葉系幹細胞マーカー(CD29, CD44, CD73, CD90, CD105)と造血系細胞マーカー(CD34, CD45)の表面抗原発現を確認した。PDLスフェロイドにおいて、単層培養PDLと同様に間葉系幹細胞マーカーの発現が見られ、ネガティブコントロールである造血系細胞マーカーの発現は見られなかった。軟骨分化条件(dexamethasone, ascorbate, ITS+, sodium pyruvate, prolineを含む培地で培養)で21日間ペレット培養後、切片を作製し、アルシアンブルー染色を行った。PDLスフェロイドは単層培養PDLと同様にアルシアンブルーで染色されたことから、軟骨に分化することが示唆された。PDLスフェロイドと単層培養PDLを骨分化条件(dexamethasone, ascorbate, β-glycerophosphateを含む培地で培養)で14日まで培養し、アリザリンレッド染色、real time RT-PCRによる骨関連遺伝子(RUNX2, COL1, ALP, OPN, BSP, OCN)の発現、ALP活性を比較した。アリザリンレッド染色で検出したPDLスフェロイドにおける石灰化結節量は有意に増加した。培養7, 10, 14日目のreal time RT-PCRにおいて、RUNX2, COL1, ALPは7, 10日目でPDLスフェロイドが有意に高い発現を示し、OPN, BSP, OCNは10, 14日目でPDLスフェロイドが有意に高い発現を示した。培養0, 7, 10, 14日目のALP活性において、PDLスフェロイドは7,10,14日目で有意に高い活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画では、歯根膜細胞スフェロイドの多分可能の検証で、脂肪細胞の分化も確認する予定であったが、脂肪分化がうまくいっていない。また、歯根膜細胞スフェロイドシートの機能解明も行う予定であったが、シート用のウェルに歯根膜細胞スフェロイドを播種したが、シート状にならず、凝集して大きなスフェロイドになってしまう。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜細胞スフェロイドシートの歯周組織欠損ラットへの応用として、以下のことを行う予定である。①歯周組織欠損ラットの作製:ラット上顎第一大臼歯近心部に2壁性骨欠損を作製し、歯周組織欠損モデルとする。②歯根膜細胞スフェロイド、スフェロイドシートの移植:作製した歯根膜細胞スフェロイド、歯根膜細胞スフェロイドシートを移植し、1週後、2週後、3週後、4週後に堵殺する。対照群として、歯根膜細胞シートを移植する。各グループ6匹ずつを予定している。③歯周組織再生能の評価:マイクロCTにて、再生された歯槽骨を定量的に評価する。歯周組織切片(HE染色)にて、歯根膜、セメント質、歯槽骨の再生状態を評価する。
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