2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K20628
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
斉藤 彰大 昭和大学, 歯学部, 助教 (20736665)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ケトン体 / 骨代謝 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、アセト酢酸(Acetoacetate:AA)とb-ヒドロキシ酪酸(b-hydroxybutyrate;HB)がモノカルボン酸トランスポーターを介して細胞内に取り込まれ、骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞(E1細胞)においてALP活性と石灰化物形成を時間依存的・濃度依存的に上昇・抑制することを見出している。平成27年度は、1初代培養骨芽細胞(primary osteoblast:pOB)でも同様の反応を示すか、2細胞内に取り込まれたAA、HBのALP活性調整の機序、を調べていくこととした。 1、pOBにおけるAA、HBのALP活性・石灰化物形成への影響を調べたところ、E1細胞と同様に、ALP活性をAAは上昇させHBは抑制することがわかった。このことより、AAとHBは骨芽細胞の骨芽細胞分化を調整していることが示唆された。 2、細胞内に取り込まれたAA、HBのALP活性調整の機序を調べるために、(1)細胞内に取り込まれたAAとHBはALPに直接作用するか(2)AAとHBのALP活性への影響にヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(HBDH)を介してNAD/NADH比を変化させるか、を調べた。(1)では、E1細胞溶液とリコンビナントALPへAAとHBを直接作用させALP活性に影響を与えるか調べたが、AAとHBはALP活性を変化させなかったことがわかった。(2)では、HBDHがNAD/NADH比を変化させALP活性を調節しているとの報告があったため、E1細胞でのHBDHの発現とAA・HB添加時のNAD/NADH比変化を調べた。E1細胞ではHBDH2を発現していることが分かったが、AA・HB添加してもNAD/NADH比の変化は認めなかった。 以上の結果をまとめ、Biochemical and Biophysical Research Communicationsに投稿し、アクセプトした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で計画していた研究がおおむね行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、平成28年度はin vitroでの実験系を計画していたが、ALP活性調整の機序が解明されていないため、平成27年度に引き続き機序の解明に努める。まず、ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)がALP調整にかかわっていると仮定し、AAとHB添加時にHDACの発現が変化するかを調べていく。 また、AAとHBが及ぼす影響が骨芽細胞特有なものなのか調べるために、軟骨様細胞ATDC5細胞や破骨様細胞RAW細胞を培養中にAAとHBを添加してどのような影響を及ぼすか調べていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画より、経費の節約が出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の物品費として使用する。
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