2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K20632
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮島 真一 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (80750158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GLP-1 受容体作動薬 / 糖尿病モデルラット / 実験的歯周炎モデルラット / 抗炎症性作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
インクレチンとは、intestine secretion insulin の略で、食事摂取に伴い消化管から分泌され、膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するホルモンである。これまでにGIP(Glucose-dependent insulinotropic polypeptide)とGLP-1 (Glucagon-like peptide 1)の2つのホルモンが、インクレチンとして機能することが確認されている。 本研究において我々は、歯周炎に対する GLP-1 受容体作動薬であるビクトーザ(一般名:Liraglutide)の抗炎症作用及び骨吸収抑制作用を検討する目的で、ラットに実験的歯周炎を惹起し、GLP-1 受容体作動薬の歯周炎に対する作用について検討した。実験結果として、動物実験においては、糖尿病モデルラット及び実験的歯周炎モデルラットの作成に成功した。GLP-1 受容体作動薬は血糖値を降下させることで間接的に抗炎症作用を示す可能性があるが、ラットにおいてGLP-1受容体作動薬 (0.1mg/kg/day, 0.4mg/kg/day)の投与による体重、血糖値に対する影響は認めなかった。またH-E染色を用いたラット歯肉の病理組織学的解析において、GLP-1受容体作動薬の投与により、実験側歯肉は炎症性細胞浸潤の減少を認めた。μ-CTによる歯槽骨解析において、GLP-1受容体作動薬の投与により、実験側歯槽骨は有意な吸収の抑制が認められた。ヒト単球系白血病細胞由来株である THP-1を用いた培養実験において、GLP-1 受容体作動薬は LPS 刺激により増加した TNF-α遺伝子発現を有意に減少させた。本研究において、GLP-1 受容体作動薬の炎症性細胞に対する抗炎症性作用及び、骨吸収の抑制作用を認めたことにより、歯周炎に対する抑制効果が示唆された。
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