2021 Fiscal Year Annual Research Report
Association between periodontal disease and dementia in people with prevalence of metabolic syndrome.
Project/Area Number |
15K20640
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
皆川 久美子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30749990)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抑うつ / 高齢者 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年5月に開催された口腔衛生学会において、『65歳以上のメタボリックシンドローム有病者における現在歯数と心の健康状態の関連(魚沼コホート調査より)』の表題でポスター発表を行った。 メタボリックシンドロームはうつ病、抑うつ状態のリスク因子であるが、歯や口腔内の健康状態と関連付けた報告はみられない。我々は、抑うつ傾向が特に高くなる65歳以上の高齢者において、メタボリックシンドローム有病者における現在歯数と心の健康状態との関連について検討を行った。魚沼コホート研究のベースライン調査において、身体検査値と血液検査値すべてのデータが揃っている65歳以上の2,250名(男性1,219名・女性1,031名)を解析対象とした。全対象者中、予備群も含めてメタボリックシンドロームと定義されたのは434名(24.6%)であったが、心と身体の健康状態が「悪い」と分類されたのは、20本以上の歯を持つ者で462名(43.0%)、19本以下の者で343(49.8%)であった。 現在歯数を独立変数、心と体の健康状態を従属変数とし、収入、喫煙、睡眠状態、年齢、学歴、性別および生きがい感を共変量として、メタボリックシンドローム有病者、非有病者に分けてロジスティック回帰分析を行った。その結果、メタボリックシンドローム有病者において、現在歯数19本以下の者は、20本以上の者と比較して、心と体の健康状態が悪い者の割合が有意に高かった(オッズ比=1.77,95%CI=1.71-2.69,p=0.007)。 「高齢者」および「メタボリックシンドローム有病者」はどちらも抑うつ状態のリスク因子であるが、その状態に更に「歯の喪失」というリスク因子が集積することにより、心の不健康を招く可能性が高いと考えられる。この結果から、65歳以上のメタボリックシンドローム有病者において、現在歯数と心の健康状態に関連があることが示唆された.
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Remarks |
日本口腔衛生学会より政策声明として発表された『認知症に対する口腔保健の予防的役割』において、ワーキンググループメンバーとして参加し、認知症に影響する口腔関連の要因について先行研究のレビューを行った。
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Research Products
(4 results)