2016 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of autonomic function and systemic illness on salivary stress markers.
Project/Area Number |
15K20646
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松井 大輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20613566)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 唾液 / ストレスマーカー / 残存歯数 / 口腔衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の研究協力者が平成22年度より前向き調査として継続追跡している約2700人のコホート集団を対象として、これまでの我々の研究成果をもとに、唾液成分のストレスマーカー(クロモグラニンA、コルチゾール、インターロイキン-6、ラクトフェリン)を測定し、歯牙喪失、口腔衛生行動との関連および自律神経機能、生活習慣や全身疾患との関連の有無を横断的および縦断的に検討することが目的である。唾液、口腔内および生活習慣等のデータに欠損のなかった、男性327人、女性241人について解析を実施した。解析結果として、唾液ストレスマーカーと生活習慣との関連について男性では、喫煙とラクトフェリン、インターロイキン-6、飲酒習慣とインターロイキン-6、唾液採取時間とコルチゾール、ラクトフェリン、インターロイキン-6との関連を認めた。女性では、唾液採取時間とコルチゾールとの関連を認めた。唾液ストレスマーカーと口腔内および口腔衛生との関連について、男性では残存歯数とコルチゾール、地域歯周疾患指数(CPI)とラクトフェリンとの関連を認めた。女性では他人から口臭を指摘されたことのあることとコルチゾールに関連を認めた。唾液ストレスマーカーは採取時間や生活習慣に影響をうけることが報告されており、我々の解析結果からも喫煙、飲酒、採取時間は考慮する必要があると思われる。口腔内および口腔衛生との関連について、インターロイキン-6とラクトフェリンについては、抗炎症作用があることを考慮すると、CPIは歯周組織の判定基準であり、歯肉炎症の悪化を反映している可能性がある。また、咬合不全がコルチゾールの上昇に関連するとの報告があり、我々の研究結果と一致した。口腔内の衛生状態を保ち、残存歯数を維持することはストレスの軽減につながる可能性が示唆された。
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