2015 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌による膵島への網羅的エピジェネティクス解析―基礎疾患の予防に向けて―
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15K20647
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (00709248)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 歯周病 / 膵臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティクスは、環境因子により遺伝子の表現系が後天的に変化する現象である。これまで主として発がんへの関与について検索されてきたが、最近になり、糖尿病、肺炎、心疾患、高血圧などの生活習慣病にも関与することが指摘されてきている。しかし、歯周疾患に影響を受ける基礎疾患の発症・進展にエピジェネティクス修飾が関与しているかについての報告はほとんどみられない。本研究では、歯周病原細菌によって膵島(ランゲルハンス島)が受けるエピジェネティクス修飾について網羅的探索を行い、その影響を明らかにすることを目的とした。初年度の実施計画としては、マウスの培養細胞を用いて長期培養を行う予定であったが、長期培養が困難であった。そこでP. gingivalis由来LPSを5 mg/kgになるよう生理食塩水で調整した.6-8週齢のマウス(C57BL/J)に調整したLPSを3日毎に腹腔内投与し、1ヶ月間(10回)投与した.最終投与より3日後にマウスを屠殺し、膵臓を摘出した。摘出した膵臓よりtRNAおよびDNAを抽出した。抽出したtRNAはマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現の変化を分析した。マイクロアレイに発現上昇した遺伝子(2倍以上)は1,591プローブ、発現減少(0.5以下)は527プローブであった。マイクロアレイのデータを元にパスウェイ解析を行った。パスウェイ解析にて機能分類のうち発現増加した遺伝子では「Immunological Disease」の発現が最も多く(362種)、発現低下した遺伝子では「Lipid Metabolism」が最も多かった(69種)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の達成目的からやや遅れている理由としては、時間的な制約がある中での実験条件を設定するために費やす時間が多く、予定通りの進歩状況ではないが、歯周病原細菌による膵島への網羅的エピジェネティクス解析についての実験の方向性的には順当に進行している状況であるため、次年度以降引き続き研究遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
摘出した膵臓より抽出したDNAを用いて、DNAメチル化プロフィール解析とヒストンのプロフィール解析を行う。マイクロアレイなどにより網羅的な解析を行った後に、ターゲット因子を絞り、特異的に歯周病原菌感染によりエピジェネティックス修飾をうける因子について、高メチル化や異常ヒストン修飾を起こした因子についての解析をさらに追跡し、明確な発現変化をみるものを探り歯周病関連の高メチル化因子を同定と異常ヒストン修飾因子を確定する。
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Causes of Carryover |
調達方法の工夫などにより、当初計画より経費の節約ができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬や実験器具などの消耗品に使用する。
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Research Products
(1 results)