2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive epigenetic analysis on pancreas by periodontal pathogenic bacteria
Project/Area Number |
15K20647
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (00709248)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | エピジェネティクス / 歯周炎 / 膵炎 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティクスは,環境因子により遺伝子の表現系が後天的に変化する現象である.これまで主として発がんへの関与について検索されてきたが,最近になり,糖尿病,肺炎,心疾患,高血圧などの生活習慣病にも関与することが指摘されてきている.しかし,歯周疾患に影響を受ける基礎疾患の発症・進展にエピジェネティクス修飾が関与しているかについての報告はほとんどみられない.歯周病は炎症性サイトカインや種々の起炎物質が産生され,破壊された毛細血管を介して血流に入ることで全身疾患に影響を与えると考えられている.慢性腎障害が3ヶ月続いた状態を指し,世界的に加齢,糖尿病,高血圧,肥満および心臓血管疾患との相関が見られている.歯周病と腎臓疾患との関連を示唆する報告もあるが,その機序は明らかとっていない. 本年度は,昨年度にPorphyromonas gingivalis由来LPSを長期投与したマウスから摘出した腎臓を用い,腎臓における遺伝子発現の網羅的解析を行い、歯周病および慢性腎臓病と密接に関連する遺伝子の同定およびエピジェネティクス修飾の解析を行った.1ヶ月間LPS刺激を与えたマウスの腎臓においてmRNA発現を網羅的に解析し5つの遺伝子(Saa3,Ticam2,Reg3b,Oxct2a,Xcr1)がLPSの刺激により時間依存的に発現が変化した.これらの遺伝子発現の変化が,腎臓における発がんリスクの上昇,および脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性が示唆された.しかし,これらの遺伝子のプロモーター領域のメチル化の割合に統計学的な有意差は認められなかった.
|
Research Products
(2 results)