2016 Fiscal Year Research-status Report
歯科用携帯型エックス線発生装置の安全基準ガイドラインの作製
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15K20648
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
大高 祐聖 明海大学, 歯学部, 助教 (60711067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 携帯型エックス線発生装置 / 個人識別 / 被ばく線量 / 防護 / 散乱線 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は、27年度にて一部研究計画を変更した研究計画どおり、各携帯型エックス線発生装置の散乱線量の測定を行った。被写体は27年度実験結果にて決定したCT頭部線量測定用標準ファントム(直径16cm)、散乱線測定器は350㏄電離箱type393(Pitman社)を用い、年度内に借りる事のできた計7機種(デキシコADX4000W(10DR Japan社)、デキシコDX3000(10DR Japan社)、NOMAD(Aribex社)、NOMADPro(Aribex社)、エックスショット(ヨシダ社)、レクスター(近畿レントゲン工業社)、ポートエックスⅢ(モリタ社))の携帯型エックス線発生装置の散乱線量(迷線量含む)を測定した。計測方法は、ファントムの中心点を床から100cmに三脚にて固定し、エックス線発生装置のコーン先端をファントム表面に接触させ、照射時間1秒(1秒の設定が無い場合は近い数値)に設定し、ファントム中心を中心点とした半径100cm及び50cmの円を想定し、エックス線照射方向を0°とし、15°刻みで計360°方向の散乱線量を測定した。結果はどの機種においても0°方向の線量(迷線量を含む)が最も高く、後方にいくほど線量は低くなり、120-240°で最も線量は低くなった。外見上似た形状の機種であっても、後方散乱線量は異なっており、これは機器内部の構造により後方散乱線が減弱されたためであることがわかった。また、機種によっては後方散乱線を減弱させるための「シールド」を装着している機種(NOMAD及びNOMADProは固定式、デキシコシリーズは着脱式)も有り、シールドの装着により後方散乱線量が約1/3に減弱されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は、27年度で一部変更した計画通りに実験を遂行し、計7機種の散乱線量測定を行ったため、研究は順調に進展していると思料する。また、研究結果は順次とりまとめ、学会発表や論文投稿(投稿準備含む)を行っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は、28年度にて計測できていない機種の散乱線量を引き続き計測していく。また、機器本体スイッチ部の手指被ばく線量を個人線量計を用いて測定し、電離箱による散乱線量の結果と比較検討し、ガイドライン作成や個人識別業務にて利用しやすいように結果を解析し、とりまとめを行う。また、27年度にて当初予定していた人体形状を模したファントムによる散乱線量の測定を行い、本実験で使用しているCT頭部線量測定用ファントムとの形状の違いによる散乱線量の相違を明らかにする。さらに、残りの時間と資金等を勘案し、可能であればモンテカルロ計算用のソフトを購入し、上記実験結果と比較検討することを予定している。
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Research Products
(7 results)