2015 Fiscal Year Research-status Report
超低出生体重児の食行動と全身発達に関する研究 ―摂食嚥下機能と骨格筋量の関連性―
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15K20649
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石崎 晶子 昭和大学, 歯学部, 助教 (00710386)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超低出生体重児 / 摂食嚥下機能 / 骨格筋量 / 食行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は、摂食嚥下機能と骨格筋量の関連性を解明することで、全身発達を考慮した、予知的な超低出生体重児(ELBW児)の食行動の問題の解決方法を立案することである。まずは、定型発達児において摂食嚥下機能と骨格筋量の関連性について検討した。 【方法】保育園に通う健康幼児183名(男児101名、女児82名、平均年齢62.3±13.0か月)を対象とした。調査項目は、性別、年齢、身長、体重、咬合力(デンタルプレスケール)、舌圧(JMS舌圧測定器)、舌筋厚(ソノサイト180Ⅱ)、握力(JAMARデジタル握力計)、咬筋厚・下腿後面筋厚(みるキューブ)、下腿周囲長、体組成(InBodyS10)とした。 【結果】舌圧は年齢、身長、体重、骨格筋量、握力と有意に相関したが、舌筋厚、咬合力とは相関しなかった。咬合力は年齢、身長、体重、握力、骨格筋量の増加とともに増加する傾向にあった。咬筋厚、舌筋厚は年齢で変化しなかった。各年齢の舌圧の低い児では、食事の心配事が多い傾向にあった。 【考察】舌圧は摂食嚥下機能に重要な役割を果たしている。食事に問題を抱える児では、舌圧が低い傾向にあることが示された。舌圧が、全身の筋力である握力や骨格筋量と関連していることから、定形発達児においても食行動の問題解決には、摂食嚥下機能だけではなく、全身の筋力や筋肉量を考慮することが重要であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
某保育園との連携が得られたため、健康小児ボランティアを集めるのが予定より順調であった。しかし、予想以上に応募が集まったため、計画当初の予定人数を大幅に上回った。 申請物品のJMS舌圧測定器に関しても、スムーズに購入することができた。舌筋厚さの計測には、みるキューブを用いる計画であったが、計測が困難であったため、研究室既存の超音波診断装置である、ソノサイト180Ⅱで計測した。そのため、計画の遅れに繋がるようなことはなかった。 データ採取は保育園で実施することで、健康小児ボランティアの負担を最小限にすることに努めた。データ採取には多くの研究協力者に手伝って頂いた。 保育園、健康小児ボランティア、研究協力者の協力により、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会承認後、超低出生体重児ボランティアでも平成27年度同様の調査を実施する予定である。計画当初より、外来患者が減少しているため、超低出生体重児ボランティアを集めるのが課題である。対策として、療育施設や、小児科と交渉する予定である。
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Causes of Carryover |
申請機器の一部をデモ機で対応可能であったため、物品費が予想より少額であった。 予想以上に健康小児ボランティアが集まったため、調査人数が多くなり、旅費が申請時より多くなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
デモ機は常に使用できるとは限らないため、必要に応じ機材を購入する予定である。
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