2015 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者におけるMASAとVEの比較による摂食嚥下スクリーング法の開発
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15K20650
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大平 真理子 東京歯科大学, 歯学部, その他 (30733555)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 摂食嚥下障害 / 要介護高齢者 / 嚥下機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、東京都内の特別養護老人ホームに入所中もしくは在宅歯科医療を受けている要介護高齢者で、摂食嚥下障害が疑われ、精査のためVEを実施されている者に対し、Mann Assessment of Swallowing Ability (MASA)およびModified Mann Assessment of Swallowing Ability (MMASA)による摂食嚥下機能の評価を行なった。また、機能的経口摂取評価としてFunctional Oral Intake Scale(FOIS)、認知機能スクリーニング評価としてMini Mental State Examination(MMSE)、日常生活動作能力の評価としてBarthel Index(BI)を用いた評価を行なった。 収集したデータのうち、慢性期脳卒中患者でJCS1桁の要介護高齢者34名において、MMASAの診断精度の検討を行い、第300回東京歯科大学記念学会・総会において発表した。本発表では、MMASAのオリジナルの判定値(カットオフ値)94点における、MMASAの診断精度の検討と誤嚥のカットオフ値を算出し、その診断精度を検討診断精度について検討を行った。結果は、MMASAのオリジナルのカットオフ値94点の場合、高い感度で摂食嚥下障害を判定できたが、特異度は低い値となった。しかし、正診率は76.5%であることから、慢性期脳卒中患者において、MMASAの合計点が94点以下の場合は嚥下障害の疑いが高いので、専門医による精査が必要であるといえる。さらに75点以下では誤嚥のリスクが高まることから、画像検査を含めた精査が必要であることが示唆された。 次年度は、さらに対象者を増やしより正確な診断精度と有用性の算出と有用性の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにデータ収集の継続と集まったデータでの学会発表を行ってきた。研究条件にあてはまる摂食嚥下障害患者が当初の予定よりやや少ないため、おおむね順調に進展しているという状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したMASAとMMASAの結果とVEの結果より、要介護高齢者におけるMASAおよびMMASAの診断精度を算出し、比較を行う。MASAより高い診断精度が得られれば、要介護高齢者の摂食・嚥下機能評価により簡便なMMASAの使用が妥当と考えられる。そして、MMASAの合計点とVEの結果をもとにReceiver operating characteristic (ROC)曲線を作成し要介護高齢者の誤嚥および咽頭残留の判定に最適なMMASAのカットオフ値を算出する。その後、急性期脳卒中患者のための既存のカットオフ値94点と診断精度の比較を行い、要介護高齢者に適応したカットオフ値の検討を行う。 その結果を学会発表および論文の作成をする予定である。
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Causes of Carryover |
参加発表を予定していた海外学会を取りやめたため差額が発生いたしました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度はデータ集積の継続と解析、論文作成を行う予定です。
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