2015 Fiscal Year Research-status Report
ユビキタス地域在宅歯科医療・介護連携システムの構築
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15K20653
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
戸原 雄 日本歯科大学, 生命歯学部, その他 (40468773)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ユビキタス / 医療連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
〈目的〉人口の高齢化に伴い在宅にて療養を行う要介護高齢者は増加の一途をたどっている。高齢者が住み慣れた町で安心して暮らし続けるためには、それを支える医療・介護・福祉の連携、多職種間の連携が重要であることは周知の事実である。また、先行研究では介護度が高くなるほど、嚥下機能不全が顕在化し、口腔清掃状態が低下するために誤嚥性肺炎の危険が高まることが指摘されているが、多職種間での摂食嚥下機能や口腔衛生状態を共有し、連携するツールは普及していないのが現状である。本研究は在宅における要介護高齢者の誤嚥性肺炎を予防するため多職種間のユビキタス化連携されたツールシステムを構築することを目的とするものである。 〈計画〉初年度は在宅療養中の嚥下障害を有する要介護高齢者に関わる各職種で使用できる連携ツールを開発する。共有する患者情報は以下に示す。 (1)要介護高齢者の基礎情報(2)要介護高齢者の身体情報(3)嚥下機能に関する情報(動画含む)(4)歯科的所見 これらを包含して共有できるツールとしてMCS(Medical Care Station)を使用し情報共有システムを構築することとした。また動画の共有に関しては、クラストリームを使用して行うこととした。また、MCSを利用し、当クリニックで行っている研修会の周知も行うことができるようなグループ作成を行っている。 〈現在までの進捗状況〉連携ツールの開発は終了し、現在は実際に利用を開始している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在は医療連携に必要なシステム初年度の計画である連携システムの構築はおおむね完成し、実際に臨床で使用を行う段階にある。初年度に連携ツールを完成させる予定であったものの、連携ツールの完成には予想より時間がかかってしまった。 本システムはMCSを使用した医療・介護連携を目的とするものであるため、システムの構築のみでは目標を達成したとはいい難い。 実際、MCSを使用している地域として武蔵野、三鷹等の臨在する市では比較的盛んにおこなわれているとのことだが、小金井市では医師会でも歯科医師会でも特にICTを使用しての連携はこれまでに行われてこなかった。昨年末、小金井市医師会ではICTの連携ツールとしてMCSが公式に導入され、現在は小金井市として運用をし始めた段階であり今後医師会としてグループの作製などに取り組む段階であるという現状にある。 当クリニックでもMCSを用い、主治医、歯科医師等と連携を行っているが、その数が少ないことは、他医療機関に導入がなされていないこと、また導入に至ったものの、連携の方法は既存の紙媒体での連携が主であり、新しい形の連携になかなか手が伸びないということが原因になっていると考えられる。 現在までに、MCSを使用して医療連携を行っているケースはいまだに少ないため、今後は紙媒体での連携とMCSでの連携の併用を行うという段階を行ったうえでMCSを主とした連携を行っていくことが望ましいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は初年度の目標である医療連携ツールの構築が完成したため、実際に連携ツールを使用して連携するケースを積み重ねていく段階にある。 当クリニックの立地している小金井市では公式にMCSが採用され、今後MCSを利用しての連携件数が増加していくことが予想される。 ただし小金井市では運用が開始された段階であり、使用に際しての勉強会が開催される段階であり、MCSを用いての連携を広めるため勉強会に積極的に参加をし、新たな連携の形を広めるとともに、徐々に実用を重ね、ICTでの連携を紙に代わるものとして使用していく方針である。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比べ、連携ツールの構築に時間がかかってしまったこと、また、動画の共有に関して研究計画の立案の段階では予想していなかった年間使用料が発生するため、現段階で実用するためのIpadを予定の台数購入していないことから次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、当初計画していた台数のIpadの購入、また学会発表のための交通費として次年度使用核を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)