2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能が老年症候群に与える影響についての前向きコホート研究
Project/Area Number |
15K20657
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
出分 菜々衣 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (40747268)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 咬合状態 / 高齢者施設入居者 / 死亡率 / 口腔機能 / 栄養状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画2年目の平成28年度は、追跡調査を行った。その結果、経口摂取可能な者において、死亡者36名(平均年齢88.9±7.8歳)、生存者154名(平均年齢85.1±9.1歳)であった。口腔内の検査項目は残存歯数、臼歯部上下咬合のペア数(0-8ペア)および補綴物で回復した臼歯部上下咬合のペア数(0-8ペア)である。また、日常生活動作および認知機能を評価した。また、疾患および各種検査データを施設カルテから得た。統計解析として一年後の生存および死亡について二項ロジスティック回帰分析を行った。 一年後の死亡および生存についての2群について、マンホイットニーのU検定およびカイ2乗検定を行い有意な関係が認められたものは、補綴物で回復した臼歯部の咬合のペア数、血清アルブミン値、日常生活動作,認知機能であった。さらに、死亡および生存を従属変数、独立変数に補綴物で回復した臼歯部の咬合のペア数、口腔清掃状態、血清アルブミン値、日常生活動作、認知機能を投入し、年齢および性別で調整した二項ロジスティック回帰分析を行ったところ、生存者において補綴物で回復した臼歯部の咬合のペア数と有意な関連が認められた(オッズ比0.85,B[95%信頼区間]= -0.17[0.75-0.96])。 補綴物で臼歯部の咬合を回復することは、高齢者施設利用者において、一年後の生存に影響を与える可能性が示唆された。今後の追跡調査では、肺炎、発熱および脱水等の老年症候群と口腔内状況および機能との関連について検討を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベースライン時の愛知県内の高齢者施設入居者295名に対して一年後に追跡調査を実施することができた。調査期間中は、施設スタッフの協力により、日常生活動作および認知機能等の詳細を知ることができた。また、口腔内状況および口腔機能等、必要なデータを得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も、同対象者に追跡調査を実施する。ベースラインから2年後の調査においては、転記、発熱日数、疾患の発症、血液検査値の変化について調査を行う。また、国内および国外の学会において発表を行い、論文執筆を行う。
|
Causes of Carryover |
本年度は、謝金および学会関連費用に使用し、統計ソフトを購入しなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、新たに統計ソフトの購入、調査関連の謝金、学会の旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Relationships among sense of coherence, oral health status, nutritional status and care need level of older adults according to path analysis.2017
Author(s)
Dewake N, Hamasaki T, Sakai R, Yamada S, Nima Y, Tomoe M, Kakuta S, Iwasaki M, Soh I, Shimazaki Y, Ansai T.
-
Journal Title
Geriatr Gerontol Int.
Volume: 17(11)
Pages: 2083-2088
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-