2015 Fiscal Year Research-status Report
看護師の専門職意識を測定する尺度の開発と専門職意識の予測因子の解明
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15K20659
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高田 望 東北大学, 大学病院, 副看護師長 (60746840)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護師の専門職意識 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,看護師の専門職意識を測定する尺度の開発、および開発した尺度を用いて看護師の専門職意識の予測因子を解明することが目的である。本研究成果は,看護師の専門職意識の可視化,看護師の専門職意識を高める方略の同定に貢献し,将来の看護師の専門職として確立を支援するためのプログラム開発や,看護師の専門職化と看護の質の関連を明らかにする研究を導く上で重要な知見を提示する。 平成27年度は,(1)尺度開発のための看護師の専門職意識の概念を明確化,(2)尺度開発のためのアイテムプールの作成,(3)看護師の専門職意識の予測因子解明のための仮説構築を実施した。
(1)では,社会学および看護学領域で議論されてきた専門職論に関する知見を検討した。看護師の専門職意識は,高度な知識体系に関する意識,公共意識,自律意識を主要な構成概念とし,その下に12の下位概念があることを明らかにした。この成果は概念分析として論文発表した。(2)については,概念分析の成果を理論的背景に置きながら,看護学の専門的知識を持つ複数の研究者とのブレインストーミングを実施することで,アイテムプール案を確定した。(3)については,看護師の個人要因および職場要因がどのように専門職意識に影響を及ぼし得るのかについて研究協力者と検討し,複数の仮説を作成した。
平成28年度は,看護師を対象として尺度開発のための予備調査,尺度の検証および予測因子解明のための本調査を実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画でアイテムプール作成のために予定していた看護師へのインタビュー調査は,研究計画の変更により実施せず,看護学研究者ブレインストーミングを用いたアイテムプール作成を行った。当初の予定通り,尺度開発の理論的背景となる概念の検討,及びアイテムプールの作成が終了し,全体としての達成度はおおむね良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は平成28年度に予定している以下の調査を進める。 (1))尺度作成のための予備調査 看護師の専門職意識を測定する尺度作成のために,看護師を対象に質問紙調査を実施する。得られたデータを用いて信頼性・妥当性を検証し,尺度を作成する。また,予備調査実施前にアイテムプールの妥当性検証のための小サンプル予備調査を実施することに関しても現在検討を進めている。 (2)尺度の検証および予測因子解明に関する本調査 全国規模のランダムサンプリングによる標本調査を実施し,作成した尺度の検証と,看護師の専門職意識の予測因子解明のための調査を同時に実施する。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更により,アイテムプール作成のプロセスで予定していた看護師へのインタビュー調査が,複数の看護学研究者のによるブレインストーミングへと変更となり,旅費等を削減することができた。また,関連する学会への参加が次年度となったため,旅費が繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は,研究計画の変更に伴うインタビュー調査の旅費等の減額,および学会参加を延期したため生じた額を,28年度に請求していた額と合わせて以下の通り使用する予定である。 2回の質問紙調査にかかる調査依頼のための旅費,印刷費,対象者に対する謝品費,調査票の送付・回収にかかる郵送費,データ入力委託費。また,学会参加旅費,英文校正費,その他消耗品等。
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Research Products
(1 results)