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2017 Fiscal Year Research-status Report

ジェネラリスト看護師における臨床判断能力の評価手法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K20689
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

秋山 直美  岩手医科大学, 看護学部, 講師 (20636534)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywordsクリニカルラダー / 現任教育 / 看護管理 / 看護師 / 臨床実践能力 / コンピテンシー / CBT / IRT
Outline of Annual Research Achievements

Six Dimension Scale of Nursing Performance(以下、SDNS)(Schwirian, 1978)と日本看護協会の看護師の臨床実践能力に関する概念に基づきクリニカルラダーを客観的に評価するためのツールを開発した。具体的な内容に落とし込む過程では、看護師のコンピテンシーや臨床推論に関する文献を検討するとともに、各看護領域の専門家との議論を重ねた。また、日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業のデータを分析し、臨床経験年数とヒヤリ・ハットの発生傾向についても検討した。A大学病院に勤務する看護師250名に「臨床実践能力テスト」を行い、平行して、看護師にインタビュー調査を実施した。その結果、「臨床実践能力テスト」はラダー間の能力差を測定することに成功した。
昨年度までの成果により、客観的に看護師の臨床実践能力を判定するためのツール『ジェネラリスト看護師の臨床実践能力テストシステム』の開発をほぼ完了した。このシステムは、急性期医療に従事する看護師の臨床実践能力を示すデータをベースとした、項目応答理論(IRT;Item Response Test)に基づく、CBT(CBT;Computer Based Test)システムである。IRTの特徴は、個人の能力値、項目の難易度といったパラメーターを評価項目の正誤のような離散結果から確率的に求めることが可能になることである。IRTに基づいたテストを実施することにより、異なる対象集団が受けたテストでも、項目の難易度等をスコア化することにより比較することが可能になる。近年、CBTの普及がめざましく、様々な分野でIRTに基づくCBTが導入されている。CBTでは膨大なデータの集積が可能となり、試験の運用側の採点にかかる手間やコストの削減にもなる。また、現場に即した対応と判断力を求めたテスト内容から、思考過程が整理され、問題を解いているだけで勉強になると受験者から評価された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

客観的指標を基に、施設内でのクリニカルラダー認定を10年以上取組んでいる施設で調査を実施した。調査協力者のリクルートが難しいと考えていたが、調査協力者の助力もあり、スムーズに調査を終了することができた。調査票の作成時から、臨床の看護管理者と協働で取組んだことで、調査内容自体が現場を即したものとなったこと、調査実施施設との連携が円滑に行えたことが大きかったと考える。代表者の所属が変わっても影響は小さく、その後の会議運営も円滑に行うことができた。調査対象施設を拡大する予定でいたが、施設間でのクリニカルラダーの認定状況や環境の違いが大きく、当該研究内では対象施設数を増やすことは難しかった。

Strategy for Future Research Activity

『ジェネラリスト看護師の臨床実践能力テストシステム』はCBTのうち、IRTに基づき、対象者の解答傾向によって、出題数を変化させるCAT(CAT;Computerized Adaptive Testing)とし、試用してもらう予定である。
このシステムの理論上の限界点として、看護師のクリニカルラダーのうち、新人レベルから一人前レベルの者は高確率で判別可能だが、中堅レベル以上では判定精度に課題が残る。中堅レベル以上の看護師の臨床実践能力の判定に関しては、インタビュー調査結果を分析し、多面的な評価手法を採用することを検討している。その部分に関する分析と結果の公表を今年度、実施する予定である。
本年は当該研究の最終年度となる。これまでの研究成果を広く社会に公表していく予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2018 2017

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] ICU看護師の摂食・嚥下機能に関する教育による評価精度の向上2018

    • Author(s)
      平松八重子,秋山直美,岩崎賢一,寺澤雅美
    • Journal Title

      日本クリティカルケア看護学会誌

      Volume: 14 Pages: 33-38

    • DOI

      doi.org/10.11153/jaccn.14.0_33

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 地域包括ケアシステム時代に向けた高齢者ケアとは2018

    • Author(s)
      秋山直美
    • Journal Title

      年報医事法学

      Volume: 33 Pages: 印刷中

    • Open Access
  • [Journal Article] 看護師の臨床経験・部署配属年数による薬剤に関するヒヤリ・ハットの発生傾向2017

    • Author(s)
      秋山 直美、秋山智弥、林田賢史、幸野里寿、白岩健、内藤知佐子、井上喬太、吉川陽子
    • Journal Title

      日本看護評価学会誌

      Volume: 7(1) Pages: 1-11

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 誌上症例研究 あなたならどう考える? NSTの現場から 多職種連携によって自宅退院を可能にした摂食嚥下障害のあるパーキンソン病患者1症例2017

    • Author(s)
      秋山 直美、脇村真理、木村格、小林小百合
    • Journal Title

      臨床栄養

      Volume: 131(6) Pages: 863-866

  • [Presentation] 看護師の臨床経験・部署配属年数によるヒヤリ・ハットの種類別の発生傾向-日本医療機能評価機構の公表データを活用して-2018

    • Author(s)
      秋山智弥、秋山直美、林田賢史、幸野里寿、白岩健、 内藤知佐子、吉川陽子、菅田勝也
    • Organizer
      日本看護評価学会
  • [Presentation] 大学病院における精神科経験のある看護師の臨床判断および看護実践行動の強味について2018

    • Author(s)
      秋山直美、幸野里寿、遠藤太、吉川陽子
    • Organizer
      日本看護精神保健学会
  • [Presentation] 大学病院におけるジェネラリスト看護師の臨床判断能力テストの開発(第一報)2017

    • Author(s)
      秋山智弥、秋山直美、幸野里寿、松野友美、内藤知佐子、林田賢史、菅田勝也
    • Organizer
      日本看護科学学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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