2016 Fiscal Year Research-status Report
フラッシュ血糖モニタリング(FGM)を用いた糖尿病自己管理支援方法の確立
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15K20697
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 亜希子 京都大学, 医学研究科, 助教 (70738674)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病療養支援 / 自己管理 / フラッシュ血糖モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、先進的血糖測定技術であるフラッシュ血糖モニタリングシステム(FGM)の糖尿病自己管理における効果を検討するべく、臨床介入研究に着手した。 国内の糖尿病専門外来を有する4施設において、80例の糖尿病患者(1型糖尿病57名、2型糖尿病23名)が臨床介入研究にエントリーした。対象者は、研究開始時までにインスリン治療期間が1年以上経過している18歳以上の1型または2型糖尿病患者で、糖尿病に関する注射(インスリンまたはGLP-1受容体作動薬)を1日2回以上使用しており、血糖自己測定を1型糖尿病では1日3回、2型糖尿病では1日2回以上行っているものとした。 FGMを装着し、装着前後の精神的健康状態や糖尿病治療満足度、糖尿病自己管理行動、血糖コントロール指標の変化と機器装着に関する安全性(スキンリアクション)の評価を行った。FGMの使用前と使用直後の比較では、1型糖尿病で精神的健康状態と糖尿病治療満足度の有意な改善が認められた。2型糖尿病では、これらの指標に有意な変化は認められなかった。また、現在までで、機器装着による皮膚トラブル等の有害事象は認められておらず、日本人糖尿病患者においても安全に使用できる機器であることが示唆された。 血糖コントロール指標や自己管理行動、患者による自由記述などその他の評価項目については、今後引き続き解析を行っていく予定である。また、現在は、FGM活用による長期効果を検討するべく、装着終了後の評価を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、研究開始がやや遅れたが、その後、対象者のエントリーを予定通り進めることができた。介入と評価、解析も、おおむね予定通りに実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は対象患者の継続的な評価を行い、データ解析を進め、FGMの糖尿病療養指導における患者教育方法を樹立していく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究で使用するモニタリング用のセンサーには使用期限があり、フォローアップ用のセンサーを事前に全てまとめて購入することができない。そのため、追跡用のFGMシステムの購入が平成28年度内に完了しなかったことから、FGM購入費用が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者のFGMシステム装着のタイミングに合わせてセンサーを追加購入する予定であり、そのための購入費用として次年度使用額を使用予定である。
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Research Products
(1 results)