2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and effectiveness of a new nursing support model for enhancing self-monitoring in patients with chronic heart failure
Project/Area Number |
15K20699
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
正垣 淳子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80725987)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / 症状マネジメント / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性心不全患者の急性増悪時の症状体験と看護実践を明らかにし、急性増悪時の症状体験に急性期から働きかけ、セルフモニタリングを強化するための看護支援を開発することを目的としている。 慢性心不全の急性増悪で緊急入院となった患者9名とその患者を看護する看護師12名に対して、症状体験と看護実践についての面接を実施し、質的記述的に分析した。その結果、慢性心不全患者が体験する急性増悪時の「症状」「症状に対する認識」「対処行動」が明らかになった。また、①生活が可能な時の症状は、明確に意識されない漠然とした感覚で、問いかけられると意識化されること、②症状が重篤化すると、客観的に自分の身体の変化を捉えるようになること、③身体が回復すると、気がかりの中心が生活となり、身体は後景に移って、身体を通して退院後の生活を見据えていることが明らかになった。さらに、患者は看護師の言動をきっかけに、症状の意味を自問自答していた。これらの結果から、慢性心不全患者のセルフモニタリング支援では、患者が体験した身体の変化について問いかけ、患者の経験と心不全を関連づける支援が重要と考えられた。 これらの結果と文献、自己管理に関する理論を基に、「慢性心不全患者の急性増悪時の症状体験に働きかけ、セルフモニタリングを強化する看護支援」を試作し、プログラム評価(Rossi,2004)の手法を用いて、患者6名、看護師9名、医師3名から意見聴取を行い、看護支援の内容妥当性と表面妥当性を検証した。 2019年度からは、慢性心不全の急性増悪で緊急入院となった患者を対象に、看護支援の効果検証を開始し、2020年度に対象群の調査を終え、2021年度より介入群の調査を実施中である。倫理的問題による効果検証方法の計画修正と新型コロナウィルス流行の影響により科研費期間は過ぎたものの、効果検証を完遂して結果を論文として公表する予定である。
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