2017 Fiscal Year Research-status Report
下肢人工関節手術患者の手術前後の生活に関する満足感と身体活動量についての研究
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15K20702
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松永 由理子 (明時由理子) 佐賀大学, 医学部, 助教 (50612074)
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Project Period (FY) |
2017-02-07 – 2020-03-31
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Keywords | 身体活動量 / 加速度内蔵型活動計 / 人工関節置換術 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty, TKA)患者と人工股関節全置換術(Total Hip Arthroplasty, THA)患者の術前と術後6ヶ月の身体活動量と主観的評価を行い,術前後の変化を明らかにすることを目的に調査を行った. 調査対象者は、初回TKA患者108名(平均年齢73.3±6.4歳,女性83.3%),初回THA患者185名(平均年齢61.9±8.2歳,女性83.8%)であった.身体活動量は加速度内蔵型活動計(Lifecorder GS, SUZUKEN)を用いて,7日間のデータを分析した。TKA患者の一日の平均歩数は,術前3784歩,術後4750歩で,総身体活動量(TPA)は,術前44.5分/日, 術後55.3分/日,中強度以上の活動(MVPA)は術前3.0分/日, 術後6.3分/日で,歩数,身体活動量ともに有意に改善した(P<.001).THA患者の一日の平均歩数は,術前5112歩,術後7290歩で,TPAは術前57.6分/日,術後66.1分/日で,MVPAは,術前5.6分/日,術後8.1分/日で,いずれも術前より有意に増加した(P <0.001)。主観的評価について,痛みや身体機能を評価するOxford Knee Score,Oxford Hip Score,SF-8は術前より大きく改善した(P <0.001)。 先行研究において,下肢人工関節術後の身体活動量は,質問調査で測定したものは増加しているものの,加速度計等を用いて実測した身体活動は術前と同じレベルでほとんど変化がないことが報告されている.年齢による影響を考慮し,年齢別に身体活動量と主観的評価の分析を進めている段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関の倫理審査会の承認を受け,研究を開始した. 計画通り,人工膝関節全置換術患者108名と人工股関節全置換術100名の術前,術後6ヶ月の調査は終了し,術後6ヶ月までの結果の分析をしている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,対照群としてTKA患者およびTHA患者と年齢・性別をマッチングした地域高齢者を対象として,身体活動量とQOLについて調査を行う.身体活動量は加速度内蔵型活動計加速度内蔵型活動計を用い,QOLは包括的健康関連QOLのSF-8を用いて調査を行う. TKA患者およびTHA患者は術後2年,3年で調査を予定している.
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Causes of Carryover |
成果発表を次年度に計画しているため。 【使用計画】消耗品費:測定機器 Lifecorder(故障に伴う追加購入)85000円,郵送料 60000円,関連文献・英文校正 160000円,印刷 20000円,文具15000円 国内旅費(成果発表)80000円,謝金(研究補助)140000円
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Research Products
(2 results)