2018 Fiscal Year Research-status Report
C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法を受ける患者のQOLと身体活動量に関する研究
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15K20703
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
川久保 愛 佐賀大学, 医学部, 助教 (90710252)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | C型肝炎 / 慢性肝炎 / HRQOL / DAA治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、C型慢性肝炎に対しダクラタスビル(DCV)・アスナプレビル(ASV)併用療法(24週間治療)を受ける患者の、治療開始前~治療終了時までのHRQOLおよび身体活動量を明らかにすることを目的とした。 昨年度までに、治療開始前と治療開始後12週および治療終了時のHRQOL・身体活動量はともに有意な変化はなく、DCV・ASV併用療法は患者のHRQOLおよび身体活動量に影響を及ぼさないことを明らかにし、論文としてまとめ報告した。 今年度は、さらに長期的な視点から患者のHRQOLの変化を見るために、治療終了後2年のHRQOLを追加調査し、結果の分析を進めた。 【結果】対象者107名のうち、治療開始前、治療開始後12週、治療終了時、治療終了後2年の全4時点すべてで、質問紙の返送があったのは39名であった(回収率36.4%)。そのうち、治療開始後に再燃を認めた2名、発がんを認めた1名、別疾患の罹患があった2名を除外した34名を分析対象者とした。対象者の平均年齢は68.7±9.9歳であった。4時点におけるHRQOLに有意な差は認めなかった。また、肝硬変を有する群では、治療終了後2年時のHRQOLが肝硬変を有さない群より有意に低かった。 【考察】DCV・ASV併用療法は、治療中および治療終了後のHRQOLを低下させないことが明らかとなった。インターフェロン治療のように強い副作用症状が生じなかったことが関連していると考えられた。治療終了以降のHRQOLについては、発がん等大きなトラブルがないことが前提とされた結果であり、肝硬変の有無が治療後のHRQOLに影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度4~8月に産前産後休業および育児休業に伴い、研究を中断したため、調査結果の分析は行えたものの、学会発表するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は追加調査の結果について、学会発表を行い、更に考察を深めていきたいと考える。
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Causes of Carryover |
今年度、産前・産後休業および育児休業の取得に伴い、研究を中断したために次年度使用額が生じた。 研究期間を1年延長し研究を継続する。来年度は追加調査の結果を分析してまとめ、学会発表を行うことを予定しているため、その際の旅費・参加費、さらに研究結果の考察を深めるためのスーパーバイズを受ける際に必要な旅費として使用することを計画している。
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