2017 Fiscal Year Annual Research Report
Stigma of Japanese women diagnosed with precancerous lesions of the cervix
Project/Area Number |
15K20704
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大塚 知子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (60737378)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 異形成 / 前がん病変 / スティグマ / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸部前がん病変と診断された女性の継続した受診を支援するため、前がん病変と診断された女性の抱くスティグマを明らかにする。 がん患者のスティグマについての文献検討を行った結果、がん患者は「社会的支援への制約」「批判的な視線」「アイデンティティへの汚名」という“受けるスティグマ”、「がん公表への障壁」「自己に対する否定的な思考」「がんの深刻さへの対峙」という“感じるスティグマ”、「新たなアイデンティティの獲得」という“放出するスティグマ”を体験することが明らかになった。 そこで、子宮頸部前がん病変と診断された女性のスティグマの実態を明らかにするため、高度異形成と診断され治療を終えた女性を対象に半構造化面接を実施し、得られたデータを質的帰納的に分析した。 対象者は6名(平均35.6歳)であった。子宮頸部前がん病変と診断された女性の抱くスティグマは『偏った性交経験へのレッテル』『家族に偏見を抱かれることへの恐怖』『前がん病変へ罹患したことによる自責の念』『婦人科の定期受診への制約』『夫婦生活の継続への脅威』『子宮頸がんの早期発見に向けた検診の周知』などの11のカテゴリーで表された。 本研究では前がん病変と診断された女性の“受けるスティグマ”はみられなかったが、性交渉の経験が多いと思われることへの心配や自責の念などの“感じるスティグマ”を抱くことが明らかになった。前がん病変の診断によって家族関係や社会生活への影響や受診の遅れを生じる可能性がある。一方で、前がん病変であることを受け入れ、他者へ検診の必要性や治療体験を伝えたいという“放出するスティグマ”も示された。看護師は、前がん病変と診断された女性が罹患の事実を受容できるように、いつでも相談や疑問を解決できる環境を提供すること、前がん病変の診断が女性のQOLに与える影響を考え支援する必要がある。
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