2015 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の家族のQOLの測定方法の確立と看護支援プログラムの開発
Project/Area Number |
15K20707
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三條 真紀子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70589051)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 緩和ケア / 家族ケア / がん / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国における家族のQOLの測定方法について検討していくために、平成27年度は、日本の文化を反映させた家族のQOLの構成要素を明らかにする前段階として、がん患者の家族のQOLに関する文献調査を行った。[family/caregiver/carer][quality of life][cancer/neoplasma/oncology]をキーワードにMedLine(Pubmed)、CINAHL、医学中央雑誌をデータベースとし、発表年は1995年から2015年までを対象とし、成人患者を対象とした原著論文と総説を網羅的に検索した。全データベースから抽出された文献について重複文献を除き、英語、日本語以外の言語によるもの、入手不可能なものを除外した文献をレビュー対象とした。家族のQOLに関する文献のうち、既存の尺度を用いた家族や遺族の実態調査、既存の尺度の他文化・他疾患への適応の妥当性を検討するもの、既存のQOL尺度と、家族の背景要因や受けてきた治療への満足度などの関連要因を検討するものがほとんどであり、家族の介護負担尺度作成に関する文献(26)、介護者のニーズ尺度作成に関する文献(15)、介護者のQOLに関する尺度作成に関する文献(10)が抽出された。これら先行研究中に、欧米と異なるアジア文化圏でのQOLの構成要素のドメインが提示されており、欧米と異なるスピリチュアルが示された。これらの文献レビューを通じて、インタビュー調査のためのインタビューガイドライン、次年度以降の質問紙調査、プログラム内容の具体的示唆を得た。医学中央雑誌に掲載されたものでは、原著として取り上げているものは少なく、今後のわが国での研究推進および研究結果公表の必要性が示唆された。次年度はこの基盤を踏まえて、さらに研究を発展させていく必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本科研費の研究テーマを推進するにあたり、これまで収集してきた文献に加えて、新たに出版された資料についても収拾分析して整理することを最初の課題として取り組んだ。文献レビューと学会参加を中心とし、資料を随時収集し、これまでの研究知見の整理を進めただ、当初想定していた以上に資料の分析に時間を要し、レビュー結果の統合までの作業となった。今年度の研究目的であった家族対象のインタビュー調査について、協力機関との調整が進まず、実施することが出来なかったことから、研究計画の達成度はやや遅れているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、統合した文献レビューの結果を活かし、インタビュー調査に用いるインタビューガイドラインの作成をすすめていく。同時に、対象者のリクルートについて面接の協力機関との連携をはかりながら手順について調整を行いながら、研究計画についての倫理審査を受審し、面接調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
学会参加費を所属機関の研究費で執行し、科研費からの執行がなくなったことと、面接調査の実施に至らなかったことから、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査旅費、逐語録作成費用、調査補助者への謝金として使用する予定である。
|