2015 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植患者の無菌室での自主運動にBorg scaleを利用する
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15K20719
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
森下 慎一郎 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (60635077)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植患者 / 運動負荷試験 / 筋力増強練習 / Borg scale |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は無菌室滞在中の造血幹細胞移植患者に対し運動負荷試験と筋力増強練習を実施し、Borg scale(自覚的運動強度)が運動中の心拍数や筋力増強練習時の抵抗負荷量とどのように関連するかを調査することである。 同種造血幹細胞移植実施前の患者34名に対し、自転車エルゴメーターによる運動負荷試験と膝伸展筋力テスト(ハンドヘルドダイナモメーター)を実施し、膝伸展筋力練習時のBorg scaleを調査した。移植3週後にも同様に21名の患者に対し自転車エルゴメーターによる運動負荷試験と膝伸展筋力テストを実施し、筋力増強練習時のBorg scaleを調査した。 移植前と比べると移植後は運動負荷試験のall out時の負荷量(Watt数)及び運動継続時間は低下し、膝伸展筋力も低下していた。運動負荷試験の際のWatt数の増大とともにBorg scaleも増加する傾向にあった。また膝伸展筋力増強練習時の抵抗負荷量(1RMの20%、40%、60%)の増大とともにBorg scaleも増加する傾向にあった。 次年度は持久力練習と筋力増強練習時におけるBorg scaleの感じ方の違いをを解明する。また、移植前と移植後におけるBorg scaleの感じ方の違いや性別による違いを検討する。造血幹細胞移植患者が運動療法を実施する際の最適な運動負荷量を決定する。これらの報告を平成29年3月の造血幹細胞移植学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむねデータ収集は順調に進んでいる。造血幹細胞移植患者において、男女の性差による移植患者の自覚的運動強度のとらえ方の違いも検討しており、予定通りの進捗状況と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在予定通り研究は進んでいる。次年度はさらなる症例集積を図り、結果をまとめ報告していく予定である。また、来年度以内に造血幹細胞移植患者の運動時の適正な運動負荷量を完成させる。その運動負荷量を活用し、現実性、妥当性も含め効果があるか否かを検討する。
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Causes of Carryover |
物品購入や解析ソフト購入が遅れたため次年度使用額が生じた。しかし、研究遂行上は特に影響しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究関連する解析ソフト及び関連図書、備品、消耗品、論文投稿費が必要になる。研究成果の国内・海外での発表、専門家の打ち合わせに使用予定である。
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Research Products
(7 results)