2016 Fiscal Year Annual Research Report
Using Borg scale during self-exercise while staying in a clean room in patients undergoing allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
Project/Area Number |
15K20719
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
森下 慎一郎 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60635077)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植患者 / 運動負荷試験 / 筋力増強練習 / Borg scale / 無菌室 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植患者に対し運動負荷試験と筋力増強練習を実施し、Borg scale(自覚的運動強度)が運動中の心拍数や筋力増強練習時の負荷量とどのように関連するかを調査した。2015年6月から2017年2月までの間、兵庫医科大学病院にて同種造血幹細胞移植を受けた45患者(男:27名、女:18名)を対象とした。 移植2週前と移植3週後に自転車エルゴメーター用いた運動負荷試験と筋力増強練習を実施した。運動負荷試験は症候限界まで実施し、終了時までの運動時間や負荷量(Watt数)を算出した。さらに1分ごとに心拍数を測定し、Borg scale(呼吸困難感、下肢疲労)で疲労感を質問した。筋力増強練習は膝の伸展運動を最大筋力の20%、40%、60%に相当する負荷量で10回行い、その際の下肢疲労度をBorg scaleで質問することとした。 運動負荷試験の結果、移植3週後は移植2週前に比べ運動遂行時間は有意に短かった(p<0.01)。安静時から運動負荷試験終了時までの心拍数の変化量とBorg scaleの変化量(呼吸困難感、下肢疲労ともに)には相関が認められた(p<0.01)。運動負荷試験終了時のBorg scaleは呼吸困難よりも下肢疲労のほうが大きかった(p<0.01)。膝伸展筋力は移植2週前と比べると移植3週後では有意な低下が認められた(p<0.01)。Borg scaleは膝伸展筋力増強練習の負荷量増加に伴い有意に増大した(p<0.05)。 造血幹細胞移植患者のリハビリテーションでよく行われる運動負荷試験や筋力増強練習の際のBorg scaleは使用できるツールになるかもしれない。造血幹細胞移植患者は器具等を持ち込みできない無菌室でリハビリテーションを実施する場合が多く、Borg scaleのようなツールは運動中の負荷量の指標として利用できるかもしれない。
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