2015 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患を有する妊産婦に対する産後早期精神科デイプログラムに関する予備的研究
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15K20726
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 紗耶 東北大学, 大学病院, 助教 (40455837)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 周産期メンタルヘルス / デイプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
後方視調査については、倫理委員会申請を行い実施した。具体的には、平成20年から26年の間当科を受診した妊産婦434名の、統計学的データ、出産経験、精神科診断、育児支援体制、精神科入院または外来治療のための母子分離の有無について検討した。対象者の平均年齢は33.6才、初産が13名(76.5%)、精神科既往歴を有するものは11名(64.7%)だった。精神科診断は、統合失調症6名(37.5%)、うつ病6名(37.5%)、産褥精神病3名(17.6%)、器質性精神障害1名(5.9%)、社交不安障害1名(5.9%)であった。周産期において当科を入院したのは26名(6.0%)であり、うち産後入院のために母子分離を経験したのは17名(3.9%)であった。入院中の児の養育は、家族による養育11名(64.7%)、乳児院入院4名(23.5%)、NICU入院2名(11.8%)だった。退院後の養育状況については、退院直後より自宅で養育4名(23.5%)、実家への里帰りの後自宅で養育5名(29.4%)、施設退所後自宅にて養育2名(11.8%)、施設入所継続3名(17.6%)、実家と自宅にて養育1名(5.9%)、他2名(11.8%)であり、家族の支援状況により養育状況は異なった。産後の入院による母子分離の問題と、退院後は本人の病状やボンディング、育児支援状況によって更に母子分離状態が持続するケースがみられ、その背景について更に検討する必要があると考えられた(妊産婦の精神科入院、周産期うつ病の現状についてはそれぞれ学会にて結果を発表した。) 訪問調査については、Women&Infants Hospital内のDayHospitalのプログラムについて、メールにて情報収集を行った。平成28年9月に訪問予定である。また、国内の産後ケアを行っている助産院への見学、産後心理学講座を行っている施設への見学を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた後方視調査は既にデータを収集し論文作成中である。訪問調査については、国内の助産院、産後心理学講座を行っている施設への見学は終え、アメリカのWomen&Infants Hospital内のDayHospitalは訪問予定日が決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、後方視調査及び訪問調査等によって得られた知見をもとに、平成28年度は、プログラムの作成を行い、その後プログラムの実施となる予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた訪問調査が平成28年度に変更となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年9月にアメリカへの訪問調査を予定していること、またデータ入力に関して研究協力者への謝金を予定している。
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Research Products
(2 results)