2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期からADに罹患している子どもの学童期におけるセルフケア獲得過程
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15K20737
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
杉村 篤士 横浜市立大学, 医学研究科, 助教 (20708606)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 軟膏処置 / 子ども / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎は小児期において有症率の高い疾患であり、症状が重症化した場合、体重増加不良・体重減少や低蛋白・低アルブミン血症などの深刻な症状が認められることがある。近年ではADの診療ガイドラインが確立し、ステロイド外用薬を中心とした薬物療法が推奨され、治療の有効性も立証されている。しかし、ガイドラインが確立した後においても、副作用の不安からステロイド外用薬を母親が主体的に塗れていないことが明らかとなっており、重症化してしまう子ども少なくない。また、軟膏処置を適切に実践できない理由は、副作用の不安だけでなく、知識不足や面倒さ、塗り忘れと、多岐に存在している。 そこで、学童期のセルフケアを研究するうえで、乳幼児期のケアの状況を把握するため、平成27年度にアトピー性皮膚炎をもつ乳幼児の母親を対象に、ステロイド外用薬の軟膏処置に関したアンケート調査を実施した。その結果を日常での実施状況に焦点をあて分析した結果、軟膏を塗る回数を、医療機関で指導された通り実施できていない母親が58%おり、その理由は「面倒である」や「時間がない」、「忘れる」であった。また、軟膏処置で困ったことは、「時間・手間がかかる」、「軟膏が足りなくなった」、「外出先への持参を忘れた」、「軟膏が服につく」の回答が多かった。この調査結果をまとめ、第33回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会にて発表した。 このアンケート調査での結果を踏まえ、学童期のセルフケア獲得過程を明らかにすることを目的とした研究計画書を作成し、横浜市立大学医学系倫理審査委員会に申請し承認を得た。現在研究協力機関の協力のもと研究協力者の選定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に計画を変更した通り、複数の施設に協力を依頼し、倫理審査の承認も得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はデータ収集及び分析を実施し、その研究結果を学会にて発表の予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、平成28年度にインタビューを実施する予定であったため、その謝金や分析にかかる費用を予定してたが、研究フィールドと研究の調査時期を検討した結果、インタビューの実施や分析を平成29年度に行うことになり、その費用も平成29年度に移行する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後はインタビューを実施するため、研究協力者への謝金や研究補助者への費用が必要となってくる。また本研究の結果を学会発表するための出張費用や資料の作成費用、学会誌への投稿のための費用が今後必要となってくる。
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