2015 Fiscal Year Research-status Report
妊娠中期の切迫早産妊婦が入院を契機とした目標を設定する過程に関する研究
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15K20740
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
岩田 朋美 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (20609292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 切迫早産 / ハイリスク妊娠 / 妊婦 / 長期入院 / 目標 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究目的:本研究は、妊娠中期の切迫早産妊婦が入院を契機とした妊娠継続における目標を設定する過程を経時的に明らかにすることを目的とする。 2.研究方法:質的記述的方法とする。 (1)文献検討:切迫早産妊婦に焦点をあてた研究が少ないことから、ハイリスク妊婦に関して、「ハイリスク妊婦への看護」「ハイリスク妊婦およびハイリスク妊婦の看護に対する看護職の認識」「ハイリスク妊婦の心理・主観的体験」等の文献検討を行った。それにより、国内外の研究動向の把握、インタビューガイドの検討を行った。また、看護系学術誌への論文投稿に向けて、文献検討の結果をまとめている。加えて、データ分析および解釈の信頼性・妥当性を高めるために、心理学および社会学に関する文献検討を行っている。 (2)倫理的配慮:研究計画書の段階で所属研究機関の研究倫理審査会の承認を得るべく、倫理審査の受審に係る準備に取り組んでいる。 (3)研究参加者の選定条件:所属機関の研究倫理審査会の承認を得た後、周産期母子医療センターを標榜する施設に研究協力の依頼を行う予定である。研究参加者の選定条件は、文献検討の結果をもとに再検討し、以下のとおりとする。研究参加者は切迫早産により妊娠中期(妊娠22週~27週まで)に入院となり、治療のために連続して20日間以上の入院を経験し、分娩後1~7か月程度経過した女性10~15名程度とする。また、身体的および精神的な問題がなく、治療を要す状態でないこととする。加えて、子どもの経過が研究参加者の語りにおよぼす影響を考慮し、出生した子どもの状態が安定していることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、文献検討により国内外の研究動向の把握、インタビューガイドのブラッシュアップを行った。また、現在、看護系学術誌への論文投稿に向けて、文献検討の結果をまとめている。 本研究は、修士課程での研究を発展させた研究である。修士課程での研究成果を本研究のエビデンスとして活用するため、平成27年度には、その研究成果を第56回日本母性衛生学会学術集会において口頭発表し、看護系学術誌への論文投稿にむけて、論文作成に取り組んでいる。 以上のことから、当初の研究計画を変更し、データ収集を平成28年度より行うこととした。したがって、本研究の進捗状況は、当初の計画よりもやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、所属機関の倫理審査会の受審に係る準備に取り組んでいる。当該の倫理審査会の承認を得た後、速やかに研究協力施設への研究協力の依頼を行う予定とする。その依頼に際し、研究参加者の募集が円滑に進むよう、以下のとおり依頼を行うこととする。研究協力の依頼を行う施設は、当初の計画である総合周産期母子医療センターに加えて地域周産期母子医療センターを含めることとし、より多くの研究協力施設を確保する。それにより、平成28年度末を目途にデータ収集を終えられるよう取り組むこととする。 また、平成27年度は、ハイリスク妊婦に関する看護系領域の研究成果について文献検討を行った。その結果、切迫早産妊婦に関する研究については、実践報告レベルの研究は多くなされているものの、原著論文などのエビデンスの蓄積につながる研究はあまり多くはなされていなかった。そのため、今後、心理学や社会学などの関連領域における研究成果についても文献検討を行っていくこととする。これらの成果を論文にまとめ、平成28年度末を目途に看護系学術誌への論文投稿ができるよう取り組むこととする。
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Causes of Carryover |
平成27年度の経費には、平成27年8月からデータ収集を行うこととして、研究協力施設との研究打ち合わせおよびデータ収集に係る旅費、研究協力施設および研究参加者への謝品、音声データの筆耕翻訳料等を計上していた。しかし、平成27年度に計画していた研究協力の依頼およびデータ収集の時期を平成28年度に変更したことから、平成27年度にはこれらの経費を使用することがなかった。そのため、次年度使用額(375,108円)が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に研究協力依頼を行い、平成28年度末を目途にデータ収集を終える予定としている。よって、平成27年度に生じた次年度使用額(375,108円)の全額を、平成28年度分として請求することとする。 平成28年度に、周産期母子医療センターを標榜する3~5施設程度に研究協力の依頼を行い、平成28年度末を目途に10~15名程度の研究参加者に半構成的面接によるデータ収集を行うこととする。よって、当初の計画では平成27年度に使用する予定であった研究協力施設との研究打ち合わせおよびデータ収集に係る旅費、研究協力施設および研究参加者への謝品、音声データの筆耕翻訳料等を平成28年度に使用することとする。
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