2016 Fiscal Year Annual Research Report
Current status, prospects and problems of providing respite care for children by nursing staffs in home-visit nursing offices in future.
Project/Area Number |
15K20749
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
中島 怜子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (90550278)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児在宅看護 / レスパイトケア / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小児在宅ケアにおける訪問看護によるレスパイトケア提供の現状と、レスパイトケアに対する訪問看護師の認識を明らかにすることを目的に、9県711訪問看護ステーション事業所の訪問看護師(管理者)を対象に質問紙調査を実施した。 325名(事業所)より回答が得られた(回収率45.7%)。過去1年間に小児への新規訪問依頼があった事業所は131(40.3%)であり、そのうち受け入れを断ったことがあると回答したのは27(20.6%)であった。その理由は小児看護経験者がいないことでの不安、事業所全体の人手不足等であった。 現在小児への訪問をしている、または過去1年間に訪問したことがある事業所は154(47.4%)であった。小児利用者・家族からのレスパイトケア希望・依頼があったと回答した事業所は6割程度であり、うち8割以上が希望・依頼に対し実施したと答えた。一方で訪問看護師から長時間訪問看護によるレスパイトケアを提案し、実施したことがあると答えたのは4割程度にとどまった。 訪問看護によるレスパイトケア提供については、約9割の人が重要であると回答したが、実際に利用者からレスパイトケアの要望があった際には4割以上が対応できないと答えた。理由として、小児を対象とした訪問看護を担当できる職員がいないことや他の訪問との調整が難しいことなどが挙げられた。 多くの訪問看護師は、訪問看護によるレスパイトケア提供の重要性を認識していた。しかし実際には訪問看護によるレスパイトケア提供は困難な状況にあることが明らかとなった。その背景には、小児看護経験者の不在による人的な問題や他訪問との調整が難しいなどの体制における課題がある。訪問看護によるレスパイトケアへのニーズは高く、利用者が必要とするときに十分に対応できるような体制の整備、特に小児に対応できる訪問看護師の人材の育成に取り組んでいく必要があることが示唆された。
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