2015 Fiscal Year Research-status Report
呼吸トレーニングによる妊婦の冷え改善および異常分娩予防効果
Project/Area Number |
15K20753
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
飯尾 祐加 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (70454791)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 若年女性 / 冷え / 評価 / 呼吸エクササイズ / 腹式呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年女性の冷えの定量化および呼吸エクササイズの効果の検証
対象は、健康かつ妊娠していない者で、研究に承諾を得られた神戸市のA大学に通う30名とした。冷えの自覚により冷え群と非冷え群に区分し、両群に対して、対照実験と呼吸実験を実施した。測定項目は、属性(年齢、生活状況、気分、身体計測値)、冷えの主観的評価(冷え評価尺度、冷え症質問紙、手足の冷えの自覚の程度の点数化評価)、冷えの客観的評価(腋窩温、手と足の末梢皮膚温、冷水負荷後の皮膚温回復率、末梢血流量、脈波)とした。分析対象者は29名(冷え群18名、非冷え群11名)であった。 呼吸実験は、腹式呼吸(吸気:呼気=1:2、呼吸回数6回/分)とリラックス、自律訓練第2公式を参考にしたイメージ法で構成した。実験には、研究代表者の声によるインストラクションおよび効果音を収録したCDを使用した。さらに30名の中で同意の得られた9名に、自宅でもこのCDを用いて呼吸エクササイズを4週間実施してもらった(以下自宅トレーニング)。自宅トレーニング中は、1週間毎に実験室に来てもらい、計4回の呼吸実験を実施した。 冷え群は非冷え群に比べて冷え症評価尺度得点、冷え症質問紙得点、足の冷えの自覚得点が有意に高値を示し、冷水負荷後の末梢血流量、冷水負荷5分後の皮膚温回復率が有意に低値を示し、腋窩温と末梢皮膚温との差が有意に高値を示した。また、両群で、足の皮膚温が、手の皮膚温に比べて有意に低値を示した。さらに、足の冷えの自覚が、手と足共に末梢皮膚温と有意な負の関連性を示した。 得られた研究結果は、日本臨床神経生理学会学術集会およびEast Asian Forum of Nursing Scholarsで発表した。現在、論文投稿準備と呼吸エクササイズ効果の分析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ申請した計画書通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦の冷えの定量化 同意の得られた妊娠33週の初産婦を冷えの自覚に基づいて冷え群と非冷え群(15名ずつ)に区分する。測定項目や方法は、平成27年度の予備研究の結果をもとに、修正して実施する。妊婦や胎児への安全性を考慮し、冷水負荷試験は実施しない。群間比較によって妊婦の冷えを定量化する。
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Causes of Carryover |
平成27年度物品費のうち、レーザー血流計およびデータ収集装置(1,490,400円)は、以下の理由にて次年度購入とした(理由①本年度は借用可能となり計画通り研究を遂行できるため、②データ収集装置一体型の血流計が販売予定であり、これを購入できることによって、研究施設への持ち運びが容易となり、エクセルに直接出力できることによって処理速度が向上する点で望ましいと考えるため)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
レーザー血流計およびデータ収集装置を購入予定である。
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Research Products
(4 results)