2015 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児をもつ共働き夫婦の育児における協働-コ・ペアレンティング-とその規定要因
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15K20754
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
梅田 弘子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (50441986)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共働き / 育児 / 夫婦 / 協働 / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は以下の点について取り組んだ。 1.乳幼児を育てる共働き夫婦の育児の研究動向の把握と「育児の協働」の概念分析:Rodgers(2000)の概念分析の方法を参考に「共働き夫婦の育児の協働」概念を構成する属性、概念に先立ち生じる先行要件、概念の結果もたらされる帰結それぞれに該当する箇所を抜粋し各文献の内容を他の文献と比較し、カテゴリー化を行い概念の定義を得た。属性として【子どもへの愛情と親役割遂行】【情報共有・調整・分担】【相談と方針の共有】【相互補完行動】【育児の喜びや苦悩を分かち合う】【相互のおもいやり・承認】【ペアレンティングの抑制行動】の7つが抽出された。共働き夫婦の育児の協働は、夫婦それぞれが子どもへの関心や愛情をもって親としての役割を果たそうとする自発的な行動によるものである。夫婦で子どもの情報を共有し、仕事やスケジュールを調整しながら、育児・家事を分担し、臨機応変にお互いが補い合いながら営まれる。また夫婦で育児の喜びや苦悩を分かち合いながら、育児に関する積極的な相談や方針のすり合わせがなされている。相互の思いやり・承認は育児の協働の重要な要素であり、夫婦で互いを思いやり相手を尊重し、認め合うことで協働が促される。但し、これまで母親が主に育児を担ってきたという歴史的経緯や父親は仕事が多忙で育児に積極的に参画できていない状況から、妻は夫の育児に期待せずあきらめて自分で対処する、夫に任せることができず抱え込んでいる場合があることも明らかとなった。
2.乳幼児を育てる共働き夫婦の育児の協働の実態調査用調査票の作成:1の概念分析の結果をもとに、共働き夫婦の育児の協働に関する調査項目を作成した。また、育児の協働に影響を及ぼすであろう要因を先行研究をもとに列挙し、調査のための質問紙調査票を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の計画は予定通り遂行でき、2年目実施予定の調査票の作成までを行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
乳幼児を育てる共働き夫婦の育児の協働の実態把握のための調査を行う。調査結果の分析を進めて、乳幼児を育てる共働き夫婦の育児の協働を規定する 要因の検討を行う。その際には、共分散構造分析(多母集団同時分析を含む)の手法を用いて共働き夫婦の育児の協働モデルの作成を行う。これらの一連の研究結果を踏まえて、共働き夫婦の育児の協働が円滑に遂行される ための支援策について検討し、子育て支援として提言する。
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