2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児をもつ共働き夫婦の育児における協働-コ・ペアレンティング-とその規定要因
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15K20754
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
梅田 弘子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (50441986)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共働き / 夫婦 / 育児 / 協働 / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、2015年度に作成した調査票を用いて調査を実施した。保育園に通園中の子どもをもつ夫婦1081組2162名に調査票を配布し,668部(回収率30.9%)が回収された。そのうち夫婦ペアで回答に不備のない274組548部(回収率25.3%)を分析の対象とした。分析の結果、乳幼児を育てる共働き夫婦の育児の協働の構成因子として,「相談と共有」「公平性の調整」「相手からの気づかい」「効率性の追求」「相手からの制御」が見いだされた。共働き夫婦は育児の協働において「相談と共有」を重視し,支障をきたさずに仕事と育児を両立できるよう「公平性の調整」を行っていた。「相手からの気づかい」は、妻のほうが低く,夫が妻の育児行動に対して関心を高め,妻に対する配慮を強化していく必要性が示唆された。妻は夫に比べて,有意に効率性を追求し,夫の育児行動を制御していた。時間的余裕がなく,既に育児時間・量が妻に偏っている現状や妻の家庭責任意識踏まえて,夫の育児への積極的な参画を促進するとともに,妻が夫に家事・育児を任せられるように働きかけていく必要があることが示唆された。 また、FFFS日本語版Ⅰを用いて家族機能を分析した結果、乳幼児を育てている共働き家庭の家族機能の評価は,夫と妻を比較した結果、夫よりも妻の方が家族機能の重要性に対する認識が高く,家族機能充足度が低い状態であった.夫婦に共通する家族看護介入の優先度が高い項目は「子どもと過ごす時間」と「子どもに関する心配事」であった.夫よりも妻に対する家族看護介入の必要性が高く,時間的余裕と夫からの家事・育児への協力に関して支援の必要性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、調査を実施し、分析を進めている段階にある。共働き夫婦の育児の協働を規定する要因について、属性を考慮しながら特定していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
共働き夫婦の育児の協働を規定する要因について、先行研究において様々な要因が検討されてきた。そのため、本研究においては、先行研究で挙げられている各要因が、その他の要因と比べた場合の相対的な影響の大きさを明らかにする予定である。共分散構造分析の手法を用いて、育児の協働とそれに関連するであろう様々な要因について、実際にモデルを作成し、その適合度を確認・検証し、明らかにする。
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Research Products
(1 results)